フォルクスワーゲンの闇 世界制覇の野望が招いた自動車帝国の陥穽

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フォルクスワーゲンの闇 世界制覇の野望が招いた自動車帝国の陥穽

  • ISBN:9784822255299

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内容説明

2015年に発覚したフォルクスワーゲンの「クリーン・ディーゼル不正」は、世界に衝撃を与えた。長きにわたって品質と信頼を築いてきた世界最大の自動車メーカーは、一瞬にして、「強欲とだまし」の象徴に変わった。
消費者は怒り、投資家はパニックに陥り、非難の集中砲火を浴びたフォルクスワーゲンは経営危機に直面している。数々の裁判や捜査により、2017年初めまでにフォルクスワーゲンは200億ドル(2兆2000億円)を、政府機関やクルマの所有者に支払い、追加の罰金や訴訟には、まだ終わりが見えていない。
ニューヨーク・タイムズ敏腕記者、ジャック・ユーイングは、本書でフォルクスワーゲンの闇に鋭く切り込んでいく。ナチス時代の「国民車」構想から、ドイツで最も評判が高く重要な世界ブランドに成長。
世界制覇を目標に掲げ、避けては通れない米国市場攻略のため「環境」を全面に押し出した。そこに大きな落とし穴が待ち受けていた。
著者は、フォルクスワーゲンを発展させた天才技術者であり、名経営者であり、不正の温床を形作った張本人のフェルナンド・ピエヒとマーティン・ヴィンターコルンを細部にわたって描く。
彼らの「世界制覇の野望」によって打ち出された達成不可能な目標のプレッシャーが、社員を恐怖に陥れ、違法な手段に手を染めさせていった。
日本でも、有名大企業が不正会計に手を染めたり、残業を強いて自殺者を出したりと、企業ガバナンスや社風が大きく問われるようになってきた。
本書は、他山の石として、自動車業界だけでなく、日本のさまざまな企業の経営者、経営幹部、技術者に教訓を与える。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

koji

21
日産自動車の無資格審査、神戸製鋼のデータ改ざんが発覚し、日本製造業のモノ作り神話が揺らいでいます。本書は、独VWの排気ガス測定不正スキャンダルの真相に迫ったタイムリーな好著です。示唆すべき点が多くあります。「経営が示した技術的課題を解決しないことは許されない」、「法に従った目標に必要な資源を与えず高めの目標達成だけを叫ぶ」経営者ピエヒを始めとする経営陣のやり口は、正に不正の温床です。訴訟、リコールの行方は分かりませんが、目標達成のプレッシャー、冷酷な人事を除き、明確な行動規範、現場第一主義が望まれます。 2017/10/10

mazda

19
ドイツの技術というと盲目的に信じてしまう人が多いと思いますが、クリーンディーゼルのためなら違法ソフトもなんのその、というのもまた事実。バイアスかけずに1から疑ってかかることも必要かも知れません。2018/09/28

しーふぉ

14
ポルシェ一族やナチスとの関わりなど、知識になかった部分だったので勉強になった。2018/08/08

☆ツイテル☆

2
フライヤー2022/01/30

まめタンク

2
2020年241冊目。2020/08/26

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