ちくま学芸文庫<br> 思想の中の数学的構造

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ちくま学芸文庫
思想の中の数学的構造

  • 著者名:山下正男【著】
  • 価格 ¥1,430(本体¥1,300)
  • 筑摩書房(2017/08発売)
  • ポイント 13pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480090188

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内容説明

レヴィ=ストロースが“発見”した親族の基本構造は、まさに現代数学の「群論」そのものであった。それは20世紀の構造主義が、ヨーロッパの正統の流れを、すなわち古代ギリシアにおける思弁と数学の幸福な結合を、現代に“再発見”したことを意味した。そこから見えてくるものは何か。プラトンのイデア数、ライプニッツの予定調和説、カントの認識論、ヘーゲルの解析学/歴史観、ニーチェやオルテガの遠近法主義、フッサールの現象学、さらに、中国周代の易に見る二進法、孟子における階級と関数概念など、精緻な数学的アプローチと該博な知見から生みだされた、ユニークな比較思想史的論考。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

中年サラリーマン

18
社会学と数学、宗教と数学、政治制度と数学、哲学と数学etc、世の中の様々なことと数学の関わりとは。それは「構造を持つ」ということ。本書は数式をほとんど使用せずに説明を行っている。僕的にはもう少し数式が欲しいところであるが、逆に数学が苦手な方は本書を読むことで数学の懐の深さがわかるのではないか!個人的には最初の方の外延化、内包の説明からの内包⇒外化変換の話が面白かった。2014/05/03

∃.狂茶党

10
1969年から、1980年まで、二つの数学雑誌に発表されたエッセイをまとめたもの。 それぞれ独立しており、どこから読んでも成立する。 後書きによれば、60年代〜70年代の政治の季節を、肌で感じつつ構造主義に抗する、思惑があったらしい。 文系、人文系に向けて書かれたもので、数式が苦手でも読めるし、ある程度理解できる。 (わたしはこの手の数学本が向いているようだ) 数の成り立ちから、数学の歴史を駆け足で辿っていくとともに、哲学、思想についても考えていく。 数学は面白いと思わせる。2023/01/01

Akiro OUED

4
「原子論は、個人の析出していない非個人的社会では生まれない」ので、「中国の歴史にて原子論は生まれ得なかった」と。ん?中国の八卦に群論的構造の伏在を論じている。原子論を集合論の哲学的基礎として位置づけている以上、中華思想に原子論的傾向がないとは言い切れんだろ。読む価値なし。2023/08/21

monado

2
数学的構造というよりは、そのアナロジーというややふんわりした感じであるが、非常に刺激的を受けた。後半に行くに従って、こじつけ度が高くなっているような印象を受けるものの、披瀝されるネタはどれも面白い。2024/10/13

onisjim

2
本当にひさしぶりに買って読んで損したと思う本に出会った。僕が数学ができないからというだけではなくて。いちいちあげつらっていられないくらいにその論考は牽強付会にすぎる。特に宗教的回心について述べている部分は噴飯もの。そして著者が自分の知識を自慢するばかりで、楽しい部分がまるでない。レヴィ・ストロースやピアジェも数学的には不十分だね、でばっさり。ベルグソンにいたってはたった一言「ごまめの歯ぎしり」。唯一「ドイツの代数学的用語は社会学的な用語から借用された」という指摘だけが興味を引いた。2012/01/15

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