内容説明
十代での失聴、手話との出会い、聞こえない母親としての育児。かけがえのない〈音〉の記憶と、〈伝え合う〉ことの喜びを瑞々しく綴った処女エッセイ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
七月せら
14
小学4年生で音が聞こえなくなり始めてから8年、その後ほとんど完全に聞こえなくなって10年の日々を綴ったエッセイ。音が消えていく事や将来への不安、"障害者"としての自分を認める苦悩を抱えた小中高時代。同じ障害を持つ人々と出会い、伝えること伝わることの楽しさを知った大学時代。そして社会人、母親へ。聞こえないからこその多彩なコミュニケーション、それが周囲へ広がりさらにコミュニケーションの輪が大きくなるのが素晴らしい。視覚、聴覚どちらの障害へも対応できる「におい」によるバリアフリーの可能性に興味を持ちました。2017/05/21
ゆににん
1
小学四年生で右耳の聴力を失い、その後高校にかけて左耳の聴力を失っていった筆者の半生を書いたエッセイ。聞こえにくい中での学校生活、少しずつ音が失われていく焦燥感、そしてすべての音が消えたときの喪失感は、読んでいて胸が痛い。聞こえに悩んでいる人には共感できる部分が多々あると思うが、失聴した後の話は中途半端な印象。筆者はこの後、聞こえないことを「強み」とした仕事を手がけていくが、その前向きさは新作の「音のない世界と音のある世界をつなぐ」でより感じることが出来るので、そちらの方がおすすめ。2015/03/23
aki
0
想像していたより普通でがっかり。軽い読書。2010/12/06
宝塚けんけん
0
聴者であった時、左耳だけの聴力があった時、左耳も聴力を失った以後の三段階を実体験している聾者の方はそれ程多く無いかもしれないと思った。順を追って詳しい記述があるので、それぞれの段階における場合にどこで困るのかが克明に理解しやすい。結婚や出産を乗り越えてより心が太く、逞しくなって行く様子がわかりやすく著されているので聴覚障碍のある若者のロールモデルと考えて良いと思われるので読まれたら参考になると感じた。聴者にも、聴覚障碍のある方がつまづき易いところを感じ取り合理的配慮が直ぐに出来る様に敏感な動きが望まれる。2021/10/20
-
- 電子書籍
- GO WILD~獣人の恋は野性的~【タ…
-
- 電子書籍
- TOURING BIKE BIBLE …