内容説明
笑いあり、涙あり。テンポのいい会話と肩の凝らない文体で、「新しい時代小説だ!」と大好評を博した『本所おけら長屋』の続編がついに登場。お騒がせコンビ万造・松吉に、振り回される大家の徳兵衛、わけあり浪人・島田鉄斎に左官の八五郎、おかみさん連中……。「人情に厚く、おせっかいで大間抜け」な江戸っ子パワーはさらに倍増。婚礼を控えた久蔵とお梅を思うあまりの万松(万造・松吉の略)のおせっかいが大波乱を巻き起こす「だいやく」、万造と迷子の勘吉との胸に迫る交情を描いた「まよいご」、鉄斎の元主君・高宗が長屋を訪れて大騒動になる「こくいん」など、読みだしたら止まらなくなる力作6篇を収録。前作以上に、笑える、泣ける、温まるの江戸落語さながらの世界を、小説で表現した意欲作。『永遠の0』の百田尚樹氏をして「あかん、泣いてもうた!」と感嘆せしめた絶好調の連作時代小説シリーズの第二弾、満を持しての登場。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんたろー
186
第2巻にして早くも脂が乗ってきた感のある人情噺に笑ったり、ほろっとしたりで満足の一冊。特に『だいやく』の「申し訳ありません」~「償いてえんです」~「おつむてんてん」の流れは名作落語のように見事で大笑いさせられた。他の話も万松の「犬猫なみ」の考えと熱い人情が微笑ましく、長屋住民たちのチームワークに江戸っ子の心意気を教わった気分。「乙な夜鷹探しの金太」のボケっぷりが伏線となり、事件解決と上手く絡めてあるのも巧み!何にでも「乙な」と付けて喋りたくなるほど気に入った。こりゃあ、全作読まねえといけねえぜぃ(^^♪2019/12/30
のり
141
この長屋に住んだら、多少迷惑でも暇な時はないだろう。長屋仲間の為なら命を懸けて事にあたる。多々夫婦喧嘩もあるが、お愛嬌。左官職人の「八五郎」と「お里」の馴れ初めが良い。同じ左官職人の「為三郎」との邂逅も良かった。迷い子の世話をした「万造」の優しさ、寂しさを振り払う姿にしびれた。2018/10/15
ぶち
134
"人は血でつながっているんじゃねえ。心でつながってんだ。このおけら長屋の連中を見てみろ。もとはみんな他人じゃねえか。なのにこうして他人のことに必死になってやがる" 文中に出てくるこのセリフは、おけら長屋の住人たちの心意気をよく表しています。 まさに、このセリフ通りに住人の皆が必死になって、鉄斎を助けるくだりは圧巻です。皆がそれぞれに知恵を絞って真の下手人を焙り出していく過程は、並みの捕り物帖では敵わない面白さです。痛快です。そして、心に沁みる人情にもますます磨きがかかっています。2020/09/25
chiru
124
貧乏長屋を舞台に、気風の良さが売りの江戸っ子魂が炸裂する第二巻。大黒柱の大家さん、騒動と聞けば片足をつっこむ万松コンビ、長屋のピンチヒッター島田鉄斎、一丸となってお梅を守る人情深い面々。今作では、万造と迷子の心を通わせていく姿に、泣かされずにいられません。父親になる自信のない久蔵のための三文芝居は失敗…でも、万松の優しさが嬉しい。人情とお節介こそ、日本人が大事に守ってきた宝かもしれないな。みんなを笑顔にさせ、どれだけ泣かせるんだろう…長屋の人たちを身近に感じる、楽しい時間を過ごせました✨ ★52020/03/24
新地学@児童書病発動中
118
一が楽しかったので、二もすぐに読んでみた。おけら長屋に住む面々と再開するのは楽しい。特におっちょこちょい万造と松吉の独身コンビが良い感じ。相変わらずユーモアたっぷりで泣けるところもあって、安定した面白さ。私が一番笑いながら読んだのは四の「こくいん」。イケメンのお殿様が長屋にふらりと迷い込んで一騒動起きる。酔っぱらって腹芸を披露したお殿様のことが本当におかしかった。五の「あいおい」は味わい深い物語。幼馴染の二人の職人の確執が解消されて、「あいおい」という言葉の意味が分かった時に、感動がこみ上げてくる。2016/01/24
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