内容説明
妻に出て行かれたサラリーマン、声しか知らない相手に恋する美容師、元いじめっ子と再会してしまったOL……。人生は、いつも楽しいことばかりじゃない。でも、運転免許センターで、リビングで、駐輪場で、奇跡は起こる。情けなくも愛おしい登場人物たちが仕掛ける、不器用な駆け引きの数々。明日がきっと楽しくなる、魔法のような連作短編集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
1262
6つの作品からなる連作短編集。作者自身の「あとがき」にも、また他の方々の感想にもあるように、やや特殊な成立事情があったためか、伊坂作品には珍しく荒唐無稽さは影を潜め基本的にはリアリズムの範疇で描かれてゆく。もっとも、日本人のヘビー級チャンピオン、ウィンストン小野の設定は、いささか普通を超越してはいるが。しかも、この小野は連作中のあちこちで重要な役割を担っている。また、それ以外の登場人物たちも、あちこちで交錯し、まさに連作としての妙味を発揮する。まさに「繋がり」こそが、この作品集のメイン・テーマなのである。2018/09/02
hitomi.s
632
とにかく!おもしろかった!もっと、ずっと長く読んでいたかった。人との繋がりが時間を超えて続いていること、それを思い出話に「いま」も話せること。じぶんの日常のなかにもある『斉藤さん』みたいな誰かとの共通項も、かわいらしく愛らしく大事にしたいなと思えました。延々と読んでいたいけど、読み終わっちゃった。2017/09/06
青乃108号
606
昔の伊坂幸太郎は、俺の知ってる伊坂幸太郎はこうじゃなかった気がするのだが。はっきり言って軽い。ごちゃごちゃした内容ではあるが、単にごちゃごちゃしているだけでスッキリと腑におちるものがない。多分もう、この作家のものは読まないだろうな。2021/07/20
海猫
510
伊坂幸太郎作品をしばらくぶりに読んだ。短編集で各話の世界観が緩く繋がっている仕掛け。長編のようにも群像劇のようにも読める伊坂幸太郎お得意の趣向はこの作品にもあり、構成を楽しめた。全体的には恋愛小説寄りの短編集。恋愛ドラマを素直に受け取めるのがつらい気分だが、それは私のコンディションだし、興味が離れず読めた。会話の巧さはさすがで、各話にミステリー的な仕掛けが効いて、どこへ着地するのか読めない。ボクサーのウィンストン小野が中心人物を担っており、最終話のファイトシーンは登場人物たちと同様に熱狂できたのが嬉しい。2026/07/12
rico
493
足かけ20年近い歳月の中での「出会い」の奇跡と、そこから生まれる物語をつづった連作短編集。登場人物達の関係が時々わからなくなって、前のページをめくることも何度かありましたが、いい読後感でした。伊坂さん、こんな穏やかで優しい物語も書くんですね。 あの斉藤さん、「歌うたい」の斉藤さんみたいだな・・・と思ってたら、やっぱりそうでした。私も一曲聞きたいな。2017/10/09
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