内容説明
眠りつつ髪をまさぐる指やさし夢の中でも私を抱くの――甘くも苦い大人の恋をうたい“恋愛歌人”の名を不動のものにした、今なお伝説の歌集。28歳から34歳までの作品を収録。
本書は1997年5月8日初版発行の新装版です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まぁみ
23
朝からつい手にしちゃった。バレンタインディだからね♥️とは言っても…我が家の men's にチョコの準備を忘れた阿呆です😅一日遅れで許してもらおうと思います🤭新装版をDLしておいた本書は(単行本を既読)第三歌集です。改めて読んでみて、愛の力というか愛って凄いな、と感心しきり。万智さん28歳から34歳までの愛の数々と戦いの数々。/言葉にはならぬ思いを日々こぼすエリカ小さき花を落として/せり、なずな……七つの草に忍ばせて伝えてみたき言の葉がある/缶ビールなんかじゃ酔えない夜のなか一人は寂しい二人は苦しい2024/02/14
おはぎ
19
『チョコレート革命』とはいうものの、甘いミルクチョコレートではなくて苦味の強いハイカカオチョコレートの革命だと思った。道ならぬ恋を描いた歌が多いけれど、個人的にはそれら以外の歌に刺さるものが多かった。〈死というは日用品の中にありコンビニで買う香典袋〉〈大木となって立ちたき思いあり我の両手を奪いあう子ら〉〈スリッパの右と左を間違えたような感じに響くサヨナラ〉2022/08/31
田中寛一
15
蛇行する川には蛇行の理由あり急げばいいってもんじゃない/「にんげんの役には立たぬ湿原」にとって役には立たぬにんげん/ワンポイントはいいけどラインはだめという校則の言う「白いソックス」/忘れるという知恵を持つこの国の平和、それでも平和を愛す/やさしすぎるキスなんかしてくれるからあなたの嘘に気づいてしまう/葉月里緒菜になれぬ多数の側にいて繰り返し読むインタビュー記事/男ではなくて大人の返事する君にチョコレート革命起こす。あとがきに短歌は真実(こころ)を届ける手紙。言葉が大人の顔をし始めたらチョコレート革命を。2025/06/19
zel
10
圧倒されました。 大人の恋、いえない恋、海外のことがテーマです。 何気ない一瞬や思いのことばに こちらまでときめいたり不穏になったりしました 【digital library】2024/10/05
江藤 はるは
10
どんなチョコレートよりも甘く、そして苦い一冊。2020/01/31