内容説明
「ヒロシマのデルタに 若葉うづまけ/死と焔の記憶に よき祈よ こもれ」(「永遠のみどり」)――広島での原爆被災を描いた小説「夏の花」で知られる原民喜(1905-51)はまた,生涯を詩人として生きた.現実と幻をともに見つめ,喪った者たちのために刻まれた詩は,悲しみと希望の静かな結晶である.詳細な年譜を付す.(解説=若松英輔)
目次
目 次
原民喜詩集
ある時刻
昼/夕/あけがた/昼 す ぎ/浮 寝 鳥/梢/径/枯 野/星/暁/夜 あ け/夕ぐれになるまへ/遠 景/枯 木/枯 木/三 日 月/ある時刻/雪の日に
小さな庭
庭/そ ら/閨/菊/真 冬/沼/墓/ながあめ/岐阜提灯/朝 の 歌/鬼 灯 図/秋/鏡のやうなもの/夜/頌/かけかへのないもの/病 室/春
画 集
落 日/故 園/記 憶/植 物 園/黒すみれ/真 昼/露/部 屋/一つの星に/は つ 夏/気 鬱/祈 り/夜/死について/冬
原爆小景
コレガ人間ナノデス/燃エガラ/火ノナカデ 電柱ハ/日ノ暮レチカク/真夏ノ夜ノ河原ノミヅガ/ギラギラノ破片ヤ/焼ケタ樹木ハ/水ヲ下サイ/永遠のみどり
魔のひととき
魔のひととき/外食食堂のうた/讃 歌/感 涙/ガリヴァの歌/家なき子のクリスマス/碑 銘/風 景/悲 歌
拾遺詩篇
詩集その一 かげろふ断章
昨日の雨
散 歩/蟻/机/四 月/眺 望/遅 春/夏/川/川/小 春 日/秋 空/遠 景/冬/波 紋/愛 憐/月 夜/淡 景/疲 れ/京 に て──悼詩/春 望/旅 懐/山/梢/雲/川の断章/海/五 月/白 帆/偶 作/春 雨/冬 晴/春 の 昼/四 月/花 見/青 葉/ねそびれて──熊平武二に/昨日の雨/卓 上/旅 の 雨/青 空/小 曲/冬の山なみ
断 章
藤 の 花/夏/昼/朝/夜 の 秋/朝 の 闇/虚 愁/菜 花/波 の 音/冬 苑/二 月/車 窓/師 走/六 月/不 眠 歌/声/晩 春/五 月/冬 の 日/夜 想/窓/月 夜/反 歌/回 想/なぜ怖いか
散 文 詩
饗 宴/散 歩/五 月 闇/酸 漿/秋 雨/喪 中/彷 徨/無 題/詠嘆二章/青葉の頃/朝 昼 晩
千葉海岸の詩・海の小品
千葉海岸の詩
海の小品
蹠/宿 か り/渚
初出一覧
原民喜年譜
解説 悲しみの花──原民喜の詩学(若松英輔)
感想・レビュー
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