内容説明
なぜ又吉直樹は芥川賞をとったのか
なぜ小泉今日子は講談社エッセイ賞を受賞したのか
なぜビートたけしも太田光も「ネタ」として「直木賞」を狙っていると言うのか
1925年、芥川龍之介の1枚の写真が「作家=芸能人」と「文学賞」の歴史を宿命づけた
来年の芥川賞・直木賞は加藤ミリヤ、尾崎世界観、紗倉まな、あるいは星野源がとってもおかしくない!
文学賞80有余年「約束された」秘密の物語が今、ここに!
芸能人小説と文学賞には、似たところがあります。
はなから話題性を期待されていて、商業主義と結びつけて見られやすい。
また関係のない人たちから、雑多な意見や感想をぶつけられることなども、両者に共通した姿です。
注目を浴びるものなら必ず受けざるを得ない、一種の宿命かもしれません。
この二つが重なったとき、面白さが何倍にも膨れ上がる、ということを私たちに体感させてくれたのが、
二〇一五年七月、又吉直樹さんの芥川賞受賞でした。
(「はじめに」より)
≪目次≫
第一章 現代の芸能人小説と文学賞事情
第二章 芸能人の小説が、文学賞と出逢うまで
第三章 俳優たちの文才が、文学賞を盛り上げる
第四章 作家のタレント化と、タレントの作家化
第五章 八〇年代に起きた大転換と大騒動
第六章 ミュージシャンたちの多彩な文業
第七章 文学賞に応募して小説の道に入る芸能人たち
第八章 お笑い芸人たちの大躍進
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tomi
33
「直木賞のすべて」管理人の著者が徳川夢声の昔から現代まで、芸能人(有名人)と文学賞の関りを様々なエピソードで繙く。芸能人が小説を書くとマスコミがそれ直木賞だと騒ぐのも、何かの賞にノミネートされると話題作りと勘ぐるのも、主にお笑い系の人たちが本を出すと直木賞を狙ってると宣言するのも一種の伝統になっているようです(笑) 今では忘れ去られた作家(?)や作品も多く取り上げられていて、文学賞好きとしてはとても興味深い本。ただ自分の手で書いていない作品に授賞しても良いという考えにはやはり反対です。2017/10/08
そうたそ
29
★★★☆☆ 記憶に新しい又吉の芥川賞受賞。芸能人から作家へ、作家から芸能人へ。その繋がりを支えるかのような文学賞について、その関係性について繙いていく一作。芸能人作家ってこんなにいたんだ、という驚きがまずひとつであるが、ほとんど知らなかった。青島幸男とか石原慎太郎とか、その辺りの極有名な人物は知らず、芸能人作家といえど大半は忘れ去られていった人物なのだなあ、と。あくまで「紹介」的な役割に終始している一冊なので、作者自身の考えが書かれていることに期待すると、肩透かしを喰らうだろう。2017/11/21
くさてる
22
これまでに文学賞の候補に上げられた人々を取り囲んだお祭り騒ぎと浮き沈み、どったんばったんの大騒ぎを当時の記事を多く引用して語っていて、わたしのようなミーハー文学好きにはゴシップ盛りだくさんで楽しい本だった。ブロガーの本だけあって文体も軽くて読みやすいです。賞や小説そのものについての解説や文学的価値を語るような本ではないのでそこはご注意を。 2017/10/22
緋莢
20
図書館本。2015年7月。第153回芥川龍之介賞を又吉直樹が『火花』で受賞して大きな話題になりましたが、芥川賞、直木賞などの文学賞と芸能人の〝関係”は意外にも昔からあって、俳優・女優など芸能人が小説を書けば大体、「目指せ直木賞(芥川賞)」、「直木賞(芥川賞)を取るか!?」と言われていたそうです。「文芸の外の人が2作目なのに上手に書けているというイロモノ扱いのままで審査された作品と僅差だった」と、山本周五郎賞を受賞した際に湊かなえが、候補作となった押切もえの作品にそう言ったらしいのですが(続く 2018/01/07
まさむね
11
芸能人や有名人が小説を書くと、すぐに「目指すは芥川賞、直木賞」みたいにマスコミが騒ぎ出す……のは、なにも又吉直樹に始まったことではなく、ずっと昔から延々続いてきたある種の伝統である、という趣旨の本。徹底的に調べてカテゴリー別に纏め上げており、ああ、あの人も小説書いてたなあ、この人はもう作家の方が知名度高いよなあ、とかいろいろ思い出しながら読んだ。「直木賞のすべて」の管理人さんだけあって、直木賞のみならず文学賞全体へのシニカルな視点と文章にはニヤニヤしてしまった。最高です。2017/08/04
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