内容説明
「北政府」の元傭兵・灰汁銀次郎とその相棒のカンパチは、「脂玉工場」の番頭からとある誘拐事件の解決を請け負った。一方、ゴミ穴「すりばちホール」の発電所で働く策三、ダラ、スケルトンのもとにも同じ事件の解決依頼が舞い込む。犯人は北政府が半島戦争時代に作った生体兵器ドロイド。目的を同じくした灰汁と策三たちは協力して経営者の孫娘を助けだすことに成功するが、3体のドロイドは遥か宇宙へと逃亡してしまう。犯人に懸賞がかかっていることを知った灰汁たちは、「いけどり」を目論み宇宙を目指す。追跡の果て、宇宙で彼らを待っていたものとは――。
※本書は、2016年7月25日に配信を開始した単行本「ケレスの龍」をレーベル変更した作品です。(内容に変更はありませんのでご注意ください)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちょき
43
椎名誠氏と言えば、少年、山、海、島、大自然というイメージしかないが、本作はSF。色々頑張ってるが、私には右から左に映像が流れただけの小説となってしまった。逆にそのできてなさ加減が印象に残り忘れられない作品になりそうでもある。事前設定の無い金子薫って感じ。第5章の白目少女までは何とか良かったが、あとはただのSF的文章の羅列。結果最終章まではひたすら移動なので読み飛ばしてもいいくらいだった。「樹人」とかたまに見かける輝きはあるが。頻出のカーボンナノチューブ推しはへこたれた(笑)。2016/09/03
宇宙猫
31
★★★ 前半は椎名SFって感じで楽しかったけど、後半はアーサー・C・クラークっぽくて期待とは違ったので退屈だった。2017/02/27
ASnowyHeron
25
自分がSF小説のトリコだったころに読んでいたらよかったのだろうと思われる。2016/11/25
けいちゃっぷ
11
シーナのSFでは何が魅力かと考えると、得体の知れない動植物やそれらの造語もそうだが、「ゾーン」に迷い込んでしまったかのような先が見えない展開の妙があった気がする(全部とは言わないが)。 これも北政府ものの終戦後らしいが、なんか視界良好でワクワク感がないなと思っているうちに宇宙に飛び出してしまい、今度は説明調になってとてもじゃないが楽しめない。 以前にもつぶやいたかもしれないが、こういうものを書くには物語の圧に負けないパワーが必要なんだろうな。 251ページ 2018/05/11
りょうけん
9
※※まあ読まんでも特段の損失は無い本だと思います(;_;) ここ数年あまり良い印象を残せないシーナ兄いのSF長編作品。 登場人物や情景の説明にだけ凝ってしまうと悪いパターンを辿ってしまうのだけれど、今作品はストーリーが立っていてやや面白い。 やはり小説作品には物語性が無いと読みづらいのです、ということが判りました。 (シンカンソウ)むむむ、またもやシーナ兄ぃ流ヘンテコSF作品発表なのです。 これら最近のSF作品の系譜にはエベナやら砲艦銀鼠、はたまた ひとつ目女 と 銀天公社の月 とか、まあどれも2016/08/20