内容説明
斉藤未芙由は長野から上京する。亡くなった母の従姉妹の家に住み込み、家事の手伝いをしながら毎日を過ごす。団体職員の父、専業主婦の母、大学生の長男、高校生の長女が暮らすその家、鹿島田家の日常を未芙由の静かな視点で描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
466
本書は元々は新聞か雑誌に連載されていたのだろうか。そんな風に思うのは序盤から中盤に至るまでの構想が一貫性を欠くからである。プロローグは未芙由の物語に始まり、作品全体としても未芙由を主人公語られる。それでは、第一章の杏子と雄太郎の物語は何なのだ。また、登場人物がやや未整理であるためか、未芙由に感情移入しにくく、強い共感も持ちがたい。あるいはそれは未芙由が全てにおいて受動的に過ぎる故であるのかも知れない。だからこそウツボカズラなのか。しかし、彼女はウツボカズラほどの個性にもまた乏しいのであるが。2021/02/11
美登利
115
読んでいて感じた既視感。あ、そういや深夜ドラマで何話か見たんだったわ。志田未来ちゃんが冴えない田舎娘で親戚筋の豪邸で家政婦みたいな役をしてて、父親くらいの歳の旦那さんと関係を持ってしまうシーンがあった。原作に突然出てくるそのシーンで気がつくという。今どき家族がバラバラというのはそれほど変でもないと思うし取り立てて濃いストーリーでもないので少し退屈なところもありましたが、なんだか嫌だな〜って思いながらも読ませますね。乃南さん。2017/11/20
ユザキ部長
112
家族を捨てる気持ちはあれど晴れの日に呼ばないわけにはいかない。それでも実父にはこの家に近寄って欲しくない。あまりにも立派な家で、ひどく悲惨な家族だから。いや、誰にも近づかせない。意地でも。終始不穏な間奏曲が頭の中で流れる。2018/02/22
yumimiy
101
新年一発目は、初読み作家でいこう~♪と選んでみた・の・に…ガーン!😨なんすか、これ。まるで昭和の家庭崩壊ドラマ∔家なき子∔シンデレラ。舞台は渋谷区内の高級住宅街、その一画に住む鹿嶋田一家の物語。むっつりスケベな親父と若いツバメに欲情する母親、滅多に帰らない大学生の長男、妊娠しちゃった高一娘。そこへ遠縁の高卒18歳のミフユが転がり込む。スケベ親父はスリスリナデナデが好みで、長男はお尻鷲掴みワイルド派、さあ、ミフユは父と息子どっちをセレクトするでしょうか?というどーしょもない話。あーぁ、またヤケ酒しちゃうよ2023/01/07
milk tea
96
最初こそ主人公の未芙由の育ってきた環境を思えばこそ、これはシンデレラストーリー?いや、いや。亡き母の従姉妹、尚子を頼りに渋谷の家を訪ねてら思いもよらぬ豪邸だった。ここで幸せになりたいと思うようになる。地味で欲がないように見せておきながら、しっかり計画通り進めるしたたかさ。尚子は若い男と暮らし、尚子の夫は転勤、娘は海外留学、皆んな家から出て行く。気難しい尚子の義母も掌中に納め、めでたく長男と結婚。これで資産は自分のもの。かなりの性悪オンナです。だけどこの先、祖母の面倒見られるのかしらね。2017/07/08
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