文春新書<br> ストラディヴァリとグァルネリ ヴァイオリン千年の夢

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文春新書
ストラディヴァリとグァルネリ ヴァイオリン千年の夢

  • 著者名:中野雄
  • 価格 ¥968(本体¥880)
  • 文藝春秋(2017/07発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784166611324

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内容説明

音楽に疎い人でも、ストラディヴァリウスとグァルネリの名前は聞いたことがあるはずです。ともに、17~18世紀に活躍したヴァイオリン製作者です。
その銘器は、1挺数億円で取引され、スター・ヴァイオリニストは、必ずどちらかを使っているといっても過言ではありません。
しかし、この銘器たち、どこが他のヴァイオリンと違うのでしょうか? よくテレビで、1挺ウン千万円の銘器と、数十万円の普及品とを同じ奏者に弾かせて、どちらが本物の銘器かを当てさせる番組を放送していますが、かなり著名な音楽専門家でも、ものの見事に外しています。じつは海外でも、同じような試みは何度も行われています。しかも、本物のストラディヴァリを使い、聴き比べに参加した人たちも、世界一の楽器商であったり、スター・ヴァイオリニストであったりするのですが、これも見事に外しまくっています。そして、結論は、「ストラディヴァリと現代のものとの間に音色の違いはない」!
驚くべきは、その先です。そんな残念な結果が出たにもかかわらず、ストラディヴァリの相場は下がるどころか上がる一方だったのです。 こんなことが、なぜ起きるのでしょうか?
音楽プロデューサーである筆者は、世界に広がるヴァイオリン製作者、ヴァイオリニスト、弦楽器商の人脈を駆使して、この謎に挑みます。とくに、筆者自身がかかわった銘器の取引の実態、または、これまでほとんど知られていなかった贋作の歴史と「作り方」は、驚くべき内容です。
ストラディヴァリとグァルネリの人生、2つの銘器を使った名人たち、ヴァイオリン成立の歴史とその構造、奇人としか言いようのないコレクターたちの人生など、基本事項もしっかり押さえられていますし、貴重な「本物の鑑定書」も図版で紹介しています。
音楽ファンも、そうでない人も、最後まで一気に読みきってしまうこと請け合いです。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

バイクやろうpart2

58
年明け2時間前に読み終えました。副題『ヴァイオリン先年の夢』に惹かれました。1500年頃が起源で以降、その形が変わってないことに、この楽器に、何か神憑りなもの感じました。表板、裏板の湾曲の形状と材質、特に裏板の楓が、これからも歴史を刻むであろう推測は興味深かったです。ストラディを弾いたヴァイオリニストの諏訪内晶子が『虜になり魂を抜かれてしまう』の表現は、まさにヴァイオリンの持つ魔性の部分を感じさせて頂きました。2017/12/31

goro@the_booby

57
ヴァイオリン職人ジャンニシリーズに魅せられて一気読みで読了いたしました。これは面白い!製作されて300年も経っているのに今なお美しく奏でられている楽器が他にあるのでしょうか?わずか600グラムの木の箱。寸分違わず作っても同じ音色が出ないなんて、やはり奇跡の逸品なのでしょう。現存し使用可能なものは百数十挺だそうで、それは高価な楽器だが、演奏されないならただの美術品。最高の楽器で演奏されてこそだよね~。そうのち十数挺を保有する日本音楽財団が事業として演奏家へ貸与されてるそうです。聴いてみたい。2019/03/06

アルピニア

44
ヴァイオリンの二大銘器、「ストラディヴァリ」と「グァルネリ・デル・ジェス」について、製作者の生涯や歴史的背景、材料やデザイン、所有者や蒐集者の逸話、(バブル前後も含めた)取引の裏話、など豊富な内容で解説されていて引き込まれる様に読んだ。しかし、銘器の秘密が解明されるわけではない。むしろ神秘性はさらに増すばかり(笑)。この二つの銘器が異なる気質(メニューインは正妻と愛人にたとえている)を持っていて、楽器が人を選ぶというのも驚愕。また、著者が「生きがい」「才能」というものに言及する部分が特に興味深かった。→2017/11/03

oldman獺祭魚翁

44
書評に魅せられて読んでみました。最近読んだ新書の中では出色の出来。「銘器と普通のヴァイオリンの聴き別けは世界のトップでも出来ない」という所から、じゃぁストラディバリウスの様な銘器と普通のヴァイオリンはどこが違うのか?という話、アマティー・ストラディバリ・グァルネリ・デル・ジェスの生涯 そして18世紀これらの銘器を産んだクレモナは何故その後衰退したのか、これらの銘器は歴史とどう拘わっていったのか、など著者は自分のエピソードも交えながら解説していきます。弦楽四重奏が聞きたくなったなぁ2017/08/24

リキヨシオ

32
ストラディヴァリが製作した「ストラディヴァリウス」とグァルネリが製作した「デル・ジェス」はヴァイオリンの二大銘器として有名になった。二大銘器の値段は一挺で十億以上?楽器としての寿命は600年?芸術的価値が高騰している一方で十八世紀に製作された銘器は今もなお現役で演奏されている。十八世紀以降の制作者の理想は楽器を進歩させるのではなく、いかにして過去の名器に近づかせるか。そして銘器を聴き比べて完全に判定できる人はいない。ヴァイオリンの魅力を知れば知る程にこの不思議な楽器の言葉にできない魔力に取り込まれる。2017/11/29

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