内容説明
粋なやつ、不器用なやつ、土地っ子、よそ者……、色とりどりの人間模様が見られる東京浅草。その奥深さに、作家自らも吸い寄せられてゆくかのように書かれた連作小説全12話。SFから時代小説まで幅広い作品を残した半村良。彼が愛した昭和末年の浅草を舞台に、なさけ、酒、色恋を実際の風物を織り交ぜながら描いた人情小説の最高傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
65
浅草の一年を切り取って点描したような一冊。乱歩や谷崎、川端康成等、様々な作家が浅草の地を作品に描いてきたけれど、それはあくまで六区や映画、見世物といった浅草が持っている特殊性に惹かれての部分があると思う。翻って本書が描いているのは、普段着で等身大の浅草。描かれているのはそこに生きる人々や飲み屋なんだけど、そんな中にも確かに地霊みたいなものが感じられる。ゲニウス=ロキは土地の特殊性だけではなく、そこに生きる暮らしからも感じられるものなんだなあ。何より登場する人々がこざっぱりしていて、読んでいて気持ちがいい。2018/03/28
メルル
26
これは誠か嘘か。ちょっと粋な浅草界隈での物語。粋ってなんだろうとずっと思っていたが、この物語を読んで心に響く言葉があった。なるほど、それも粋だね。ちょっと下世話な話題も浅草っ子ぽいシャレで、笑い話のネタになる。行き付けの店をはしごして常連たちで盛り上がりつつ、新規の客にも気を使う。様々な人とふれあう気さくな雰囲気が楽しい。ちょっといい加減なところも魅力。とても面白かった。2017/05/29
ドナルド@灯れ松明の火
25
半村さんに、昔はまって結構読んだがこのエッセイは見落としていた。かなり昔(1990年下期)の浅草情景や住人・友人たちの気質が具体的かつ詳細に描かれ、浅草情緒に浸れる。こういった浅草にあこがれる。お薦め2020/02/05
ともくん
23
古き良き昭和の浅草。 表を歩けば誰かに声を掛けられ、飲み屋に入れば必ず知り合いがいる。 そんな下町情緒溢れた浅草を半村良が案内してくれる。 ノスタルジーを感じさせてくれる1冊。2018/05/10
ひさか
8
小説新潮1987年9月号〜1989年8月号連載を1988年10月新潮社刊。1991年10月新潮文庫刊。2017年4月ちくま文庫刊。半村さんの現代人情小説。ノスタルジックで、良かったです。2017/07/11
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