内容説明
爽涙!スポーツ小説の大傑作、待望の文庫版を電子化!
芦原瑞穂(18歳)は地方競馬界にデビューした、数少ない女性騎手。敬愛する亡き父親への思慕から競馬界に身を投じた。だが、彼女の受け皿となったのは今にもつぶれそうな「藻屑の漂流先」と揶揄される寂れた弱小厩舎。そこにいる調教師、厩務員たちは皆それぞれが心に傷を抱え、人生をあきらめきったポンコツ集団だった。
弱小厩舎のため強い競走馬も持てず、さらなる嫌がらせを受け、困っていた矢先に出合った一頭の馬。虐待により心身共にボロボロだったこの馬も懸命な介護と歩み寄りにより、生まれ変わったかのような素晴らしい競走馬に変貌を遂げる。当初は廃業寸前だった厩舎も、瑞穂の真摯な努力と純粋な心、情熱から、徐々に皆の心は一つとなり、ついには夢のまた夢である狭き門、中央競馬の桜花賞を目指すまでになる。が、その行く手には様々な試練が待ち受ける。温かな絆でつながった彼らの運命は…?
偏見、セクハラ、虐待、裏切り、老い…。様々な理由から心に傷を抱え、人生をあきらめかけている人間達の起死回生ストーリー。人は何歳からでも成長できる、そして人生はやり直せる。すべての方々に読んでいただきたい、人生への応援歌となる1冊です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さてさて
116
『どんなに苦しいことがあっても、そのだめな状態がずっと続くわけじゃない』と語る古内さん。私たちにはどんな時でも『誰にでも死力を尽くす権利があ』ります。そして、その先に訪れる未来に輝く光を見る権利だってあるはずです。勇気を振り絞ることの大切さ、前を向いて歩いていくことの大切さ、そして希望を諦めないことの大切さをそっと教えてくれたこの作品。風の向こうへと駆け抜けたその先に見える未来にじわっと湧き上がる熱い思いを噛みしめたくなる、そんな古内さんの絶品だと思いました。2020/11/30
のんき
92
瑞穂は、競馬の女性ジョッキー。男性社会だし、セクハラもあるし、なかなか勝てません。ジョッキーにも、いろんな人がいるし、馬にも、人と同じようにいろんな馬がいるんだな。そして、調教師や馬の世話をする厩務員、馬主など多くのの裏方さんのおかげで支えられていると、よくわかりました。瑞穂が馬のフィッシュアイズに騎乗して、人馬一体となって走るところが一番好きな場面。一番になれなくても、馬を信じて、自分を信じて走る。馬もジョッキーを信頼してる。瑞穂にとっても、嬉しいし、気持ちよく騎乗できるよね2019/04/30
papako
71
なんて本を電車で読んでしまったんだ!もう涙こらえるのに必死でした。地方競馬で新人女性ジョッキーが、厩舎の皆を巻き込みながら成長する。馬も人も一癖も二癖もある緑川厩舎。地方の力をみせつけろ!そして誰より何よりツバキオトメ!なんて素敵な馬なんでしょうか!レースでがんばる心意気に、魚目のフィッシュアイズに寄り添う姿に、もううるうるでした。あー、続編買っていないことが悔やまれる。ツバキオトメにまた会いたい!楽しかった!2017/10/10
名古屋ケムンパス
67
爽やかな青春スポ根小説です。斜陽の地方競馬に参加している弱小厩舎。藻屑の漂流先と揶揄されるこの厩舎の調教師・厩務員たちは何れもポンコツでした。その厩舎に教養センターの優等生ジョッキーの芦原瑞穂が配属されます。周囲の侮蔑に耐え、勝利にこだわる彼女の競馬へひたむきな姿勢は、次第にポンコツ者たちをして中央競馬に自厩舎の馬を出走させるために心血を注ぐ集団に生まれ変わらせます。果たして、桜花賞の夢は叶うのか、読者も瑞穂とともに第4コーナーを回って懸命に疾走します。2022/08/30
どぶねずみ
67
女性ジョッキーの成長物語。競馬のことは何もわからずに読んだが、中央と地方の違い、厩舎、厩務員の話、何より馬の性格の違いを知るのは新鮮だった。もちろん、女性であることの厳しさも。過去に牧場で馬を飼育する小説を読んだことがあるが、馬はとても性格が穏やかで、人間(懐いた飼育員)の心がよくわかるということは知っていた。本書は競馬の話で、厩務員だけでなく、ジョッキーと心を一つにしてレースに臨む勇敢さやレースの臨場感を味わえて楽しかった。早速2巻も読んでみよう。2022/01/07
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