内容説明
こんな見方もあったのか! 人気哲学者が教える、新しい「アニメの楽しみ方」。ジブリアニメには、映画を観た人たちに、「あれは何を意味していたのだろう?」と深く考えさせる不思議な魅力がある。それは宮崎駿監督が、人間にとって重要なテーマを描いているからにほかならない。本書では、そんな宮崎駿監督の10作品中に出てくる「風」「森」「城」「海」などの主要なモチーフを哲学し、作品に隠されたメッセージに迫りつつ、私達の生きる現実世界の本質を解き明かしていく。思考の楽しみに気づかせてくれるとともに、思わずジブリアニメを観返したくなる1冊。 【目次より】●「飛行石」とはなんだったのか? (『風の谷のナウシカ』) ●トトロに会えるのはどんな人? (『となりのトトロ』) ●アシタカが腕に呪いをかけられた理由(『もののけ姫』) ●なぜ千尋は神隠しにあったのか? (『千と千尋の神隠し』) ●なぜ津波が美しく描かれているのか? (『崖の上のポニョ』)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
岡本
93
日本初のアニメ哲学と銘打っているが内容はありふれた考察本の様な一冊。あたかも著者がジブリ作品を研究する第一人者の様に前書きで書いてあったが、海外の日本文化の研究論文などでジブリが使われる事から果たしてそうなのか甚だ疑問である。内容も著者のイメージや思い込みが多く、軽く流し読む以上の内容では無かった。ジブリの名前を使って表紙買い、タイトル買いさせる典型としか言えない。2017/08/11
へくとぱすかる
85
ジブリアニメを題材にしただけではなく、哲学を本気で始めようという姿勢である。サブタイトルに「ヒント」とある通り、それぞれのアニメからヒントを得ようとする構成なので、深い追及は読者が読んだそのあとに任せられている。哲学とはどんなことをしたらいいのか、という点はさておき、各節のヒントが役に立つ。ただしこれは標語ではないことを肝に銘じる必要があるだろう。その前に書かれていた文章で書かれていた議論が哲学なので、ヒントだけ覚えておくのでは哲学をすることにはならない。これをきっかけに自分なりの哲学を始めてみよう。2022/05/17
ニッポニア
71
ジブリをモチーフにした哲学入門。深い作品群だからこそ、考察に耐える厚みがあります。実際に意味を込めているというよりは、作品を題材に考えてみましょう、というノリです。以下メモ。風とは生きるための媒介。人為的な過ちによる腐敗は正当化されることはない、腐敗とは生命の循環過程。「となり」とは何かが起こる可能性。旅立つ娘になぜラジオを渡したのか?風呂とは再生する場所。流れ星とは願いを託すもの。宮崎駿はあえてタバコのシーンを描く、タバコとはある人にとっての必要悪。あれ、だんだん当たり前のこと言っているだけのような。2023/10/14
K
45
金曜ロードショーで放送されていれば何度だって必ず観るジブリアニメ。そのジブリアニメで哲学するとは何ぞや?と思い手に取ってみると、「考察」というより「思考」の枠が広がったような気になる一冊。なぜアシタカは腕に呪いを受けたのか、哲学というより言葉の成り立ちからの気づきに納得させられた。ポルコ・ロッソはなぜ豚になったのか、トトロはなぜ傘を気に入ったのか。ジブリ好きならニヤリとしてしまうはず。2025/02/27
レモン
40
恐らく多くの人に誤解されているだろう本書。「はじめに」で一言説明されても良かったのに。哲学するとは基本的な物事の本質が何なのかを論理的に考えることであり、宮崎駿監督の想いを深掘りして解説する内容ではない。中でも面白かったのは「石」とは何か?の著者の答え。そんなことを考える人もいるのか、と自分との発想の違いにびっくり。日々忙しく過ごしていると哲学は高尚で余裕のある人の趣味と捉えてしまっていたが、立ち止まってじっくり考えてみるのも楽しそう。2023/08/05
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