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内容説明
敗者ゆえに裁かれた終戦の原点を振り返る。
毎年8月15日の終戦記念日を迎える度に、閣僚による靖国神社参拝が取り沙汰される。問題は靖国にA級戦犯が合祀されていることだ。では、A級戦犯とは何か。彼らはどんな罪を犯したのか。第二次世界大戦終結後、このA級戦犯を裁くために開かれたのが極東国際軍事裁判(東京裁判)である。この時、11人の判事の中で唯一人、「被告人全員無罪」を主張したのが、インド代表判事のパール博士だった。博士は東京裁判を「勝者が、敗者だけを裁く急ごしらえの法律をつくり、これを過去に遡って適用した違法裁判である」と断じたのである。
パール判決はその後、世界中で評価され、マッカーサーも「あの裁判は間違いだった」と認めている。ただ日本人だけが、今も自虐史観の中にいる。あれだけの被害と不幸をもたらした戦争が正しかったわけはない。しかし、何もかもが間違っていたという破れかぶれな反省からは、未来への正しい選択は導き出せない。終戦からすでに70余年。日本人はあの戦争をどうとらえ、国際社会でどう生きていくべきなのか。パール判決をもとに、日本の今とこれからを考える百田尚樹氏の書き下ろし原稿を巻末に加える。
※過去に配信済みの文庫版に加筆修正を加えた新書版です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
樋口佳之
25
日本においては起訴状に述べられている期間中、これらの内閣、または軍部内における支配的地位を継続的に占めていた者は一人もいなかった/一人いたでしょう/版を変え刊行し続けている本。著者の強い思い入れを差し引いてもパルが全く別の裁判を裁こうとしていた事は読み取れる内容でした。2018/11/29
やす
8
文庫版の頃から読みたいと思っていたが、中々機会に恵まれず。戦後レジームの元凶とも言える東京裁判をたった一人無罪判決を出したパール判事の視点から振り返る。日本では占領終了後も黙殺されたパール判決だが、アメリカやイギリスなどの戦勝国では戦後すぐに多くの論争を呼び、パール判事に賛同する意見も多く出ている。日本人のマインドが変わったのが大きいのかもしれないが、「歴史修正主義」と叫んで思考停止していることよりなんと健全なことか。今の教科書がどうなってるか分からないが、パール判事のことに一言でも触れるべきではないか。2018/05/06
てつてつ
4
同時同列で読んだほんと、比べながら読みました。疑問は、学校ではなぜ、パール判事について習わなっかったんだろう?不思議です。2019/10/29
nabe
4
東京裁判を戦勝国による復讐劇、占領政策の宣伝効果を狙った興行である、としたパール博士の判決書の内容を簡潔・平易に示された本書。戦後日本の政治・経済・文化そのものが被占領時のパンパンであったと厳しく批判している。(ここでそれが女性蔑視との批判は当たらない。) 英米では東京裁判については既に多く批判されているが、なぜか日本では批判すると歴史修正主義と非難される。 現代日本の多くの国会議員・官僚・法学者・ジャーナリストや文化人と称する人々・教師の方々に是非一読願いたい。2018/08/18
H
4
やはり東京裁判史観を何とかしないとこの国は誇りを取り戻せないかと思うと絶望的な気分になる。しかしいくら何でも日本人は素直で従順過ぎるとは思うが。パール判事には心から敬意を表したい。2017/08/03
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