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内容説明
中国では、2009年に中国版ツイッター・微博が登場、時事問題を共有するネット論壇が誕生した。その微博をきっかけに政治意識にめざめた辣椒(ラージャオ)の風刺漫画は一世を風靡、ネット論壇を盛り上げた。しかし、習近平政権発足後、ネットのオピニオンリーダーは次々と摘発、検閲も強化。辣椒は日本滞在中、ある作品が危険視され、亡命を余儀なくされた。習近平体制の現在と言論弾圧を、亡命漫画家・辣椒の作品を手がかりに鋭く切り取った一冊!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
蛇の婿
15
2015現在の中国における言論弾圧と民衆心理コントロールを書いた本。習近平がいかに侮れないかを書いた本でもあると思います。確かに習近平が政治を掌握する以前と以後では日本のネットに流出する中国のニュースの性質にすら違いがあるような気がしますね。このあたりの問題は自分で時間をかけて調べて判断をしなければ危険なのですが、おそらく正しいのでないかなと思います。…時間のある方は少しだけ時間をこれに割くのも酔狂かと。問題提起には十分な根拠を含む良書と思われます。2015/11/30
ののまる
11
日本でも海外でもさんざん期待されていて、よく記事にもなる6億ユーザーをもつネットからの民主化…が進むわけがないのです。そもそも中国のネット論壇は既に共産党によって瓦解されているのだもの・・・ああぁ(-_-)2016/01/14
さとうしん
4
著者は異なるが、安田峰俊『知中論』、山谷剛史『中国のインターネット史』の続編というか続報的な著作。上の政策に対して下の対策がリードしたかのように見えたネットの世界でも、結局お上の政策の方が上手だったという話でため息しか出ないが、日本も他国のことをとやかく言えた義理ではないかもしれない。2015/09/13
GEO(ジオ)
3
中国のニュースを取り扱うブログ「KINBRICKS NOW」の管理人である著者が、中国のネットで大人気となった風刺漫画家・辣椒にインタビューし、彼の作品のいくつかと絡めながら、現代中国のネット情勢を描いた本。 中国のインターネットはすでに政府により「うまく」調整されており、完全に支配された感じはありつつも、ネットユーザーたちも一筋縄ではいかず、実に様々な工夫をしながら政府の検閲に対抗している。 近年の中国におけるインターネット情勢をうまく概観している。2016/06/22
naonchi
2
そう言われると、何となく中国関連ニュースが「わかる気がする」一冊。中国の文学や作家自身の講和は面白いのに、なぜ中国関連ニュースと日本から観た中国人の様子とギャップがあるのか?何とも言えない気持ち悪さを感じていたので「それなりに」腑に落ちるところのある一冊。特に読み応えはないけども。2016/03/03