内容説明
オトコという存在は実は「不感症」ではないのか。だからこそ、美少女写真集を見てはあらぬ妄想を膨らませ、一人でしては空しさに襲われる──。少なくとも自分にはそうした側面があると気づき、この問題を深く掘り下げ、論じ切った衝撃のセクシャリティ論。男女を問わず大きな反響を呼び、「男の性」の必読本となったこの書に、「その後の、感じない男」についての章を加えた、増補決定版。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夜間飛行
127
自分の体が汚い感覚を多くの男が持つのでは?という問いに、私もその一人だからきれいな少女になりたい著者の気持はわかる、と答えよう。が、少女となった自分の内側から射精し、妊娠し、自分を産み、母から離脱する…というロリコンの分析はよくわからなかった。いずれにせよ、本書は性の語りづらさに一石を投じながら自らを語る危うさの上に立っている点で、フロイト同様、読者自身が証しを立てることを要求していると思う。性的な視線をサブリミナルに仕掛けた少女ポルノが、男をロリコンに仕向けている状況にあって、自分の性を見失いたくない。2020/03/12
shikashika555
21
フェミニズムの流れで男性側の思いを知りたく思い読んだ。 (フェミニズムとは男性の言動をあげつらい非難するものではなく、男性側の生きにくさも同時に問題にするものだ) 一、二、五章は興味深く、今までこのように一人称でここまでの内容を語ったものはなかったのではないかと大変勉強になった。著者の感じ方は全男性の何割が共有するものか知らないが、今まで知らなかった感じ方考え方があるのだと とても勉強になった。 しかし 三、四章は あまりのグロテスクさに気分が悪くなり飛ばし読み。 問題の根深さに打ちのめされる。2019/11/11
金城 雅大(きんじょう まさひろ)
21
このテーマを当時(2005年)一人称で語ったのが素晴らしい。13年も経った今ですら、これができる男がどれだけいるか。読み始めて程なく登場する「欲情装置(:エロい気分になる仕組み)」という単語がキーワード。これの検証を放棄していることが、現実と虚構をセクシュアリティの次元でうまく区別できない「感じない男」を醸成する。内在的なセクシュアリティ研究は、各々がまず自分自身を掘り下げることからしかスタートできない。個人的には提示された結論に完全同意はしないが、脱「感じない男」のための一手法であることは疑いない。2018/02/23
karutaroton
16
ロリコンで自分の男性の体を汚れていると考える大学教授の推論というか独白というか?この人が草食系男子って言葉を作ったらしい。好みの女性が現れた時に性的な目でみてしまう、はある。若い頃は好きな子にあれこれ淫らな想像もした。ただ、男性である自分が汚れてるとは思わんし、若い人が良いと思うことはあっても少女趣味はないし、スカートの中が白パンであってほしいとも思わんので、やっぱり人の嗜好によるところが大きいんじゃないかなあ。2020/02/29
二人娘の父
11
章ごとで賛否それぞれあり評価が非常に難しい。取り組んだテーマ「自己のセクシュアリティの研究」は貴重と思う。しかし3.4章の内容についてはあまりにも非論理的で理解し難い。もちろん「男性性一般論ではない」という前提は理解。読む人によって様々な感情が湧き上がる文章だ。共感したのは、こうした男性がみずからの男性性について、言葉にして表現するということそのもの。教員・研究者という立場上、非常に思い切ったことだと思う。タイトルにある「感じない」は新しい視点であり、今後、自分なりに考えたい。いずれにしても貴重な作品。2021/05/10
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