内容説明
戦国最強とも名高い武田信玄は「完勝よりも七分の勝ち」と教訓を垂れ、歴戦の猛者・朝倉宗滴は「名将とはいちど大敗北を喫した者をいう」と説いた。武将たちが残した家訓(戦国家法・武辺咄・遺言状)には、乱世を生きるための組織論、リーダー論、勝負論が詰まっている。名将・猛将・知将の言葉から、戦国時代に新たな光を当てるとともに、現代人にも通じる成功の秘訣を探る。大河ファンも必読の一冊!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ハパナ
7
家訓だけではなく遺言状や武辺咄より、戦国時代の価値観や行動規範を考察した本です。鍛練に重きを置いたり、統治に重きを置いたり、色々な癖というか特徴があって面白い。綺麗事ではなく、実利ありきで練られていて当時の緊迫感が伝わってきます。2017/07/22
フク
5
〈『呉子』の「兵を用いるの害は、猶予、最大なり」〉は肝に銘じたい2018/09/26
ゆり
5
9/24読了◆戦国武将たちが後生に遺した文章には、現代でも参考になる文言がたくさんある。本書は、組織のリーダーがメインターゲットの一つであろうが、私のような”部下として組織で働く一員”でも学ぶことがたくさんあった。◆朝倉宗滴が、若いころに周りから有能と判断されることが大切であると説き、鍋島直茂は同じようなことを述べつつも、がむしゃらに目立ち、仲間から浮いてはダメだとも指摘する。組織の一員であるならば、スキルとコミュニケーション能力をかけあわせる必要があるということか。◆ひらめきブックレビュー7月良書2017/09/24
今野 富康
3
戦国時代というと遠い時代に感じるが、家訓・遺訓を読んでいると現代でも通じるところが多い。人を褒めて使えなんて話は最近出てきた話のように感じていたけれど、武田信玄や徳川家康も同じようなことを言っている。上司がふんぞり返ったり、部下を恫喝するようでは、上手くいかないなんてことも戦国時代から言われていることらしい。どこかのボクシング協会の会長に読んでもらいたい。ゴッドファーザーなんか見てる暇があるなら、この本を読んだほうがいい。2018/08/03
ダージリン
3
家訓で遺した言葉を見ると人となりが垣間見えるような気がして面白い。北条早雲の武張った感じや、三河武士の忠義の強さ、武田の部下や治国への細かい目配りなど、何となく良く聞くイメージを裏書きしてくれるようなものも多かった。どこまで実践されていたかは兎も角、戦国期は組織統治が想像以上にしっかり考えられていたことを知ることが出来た。2018/04/07