講談社ラノベ文庫 君に謝りたくて俺は

著者名：わかつきひかる【作】/羽鳥ぴよこ【イラスト】

講談社（2017/06発売）

• ISBN：9784063816174

内容説明

今井健人は息を呑む。入学式を終えて教室に入った健人が教室で見つけたのは、小学校で少しの間だけクラスメイトだった、そして健人がいじめてしまっていた少女、明日葉待夢だった。忘れられない苦い思い出に直面する健人だが、当時からちょっと不思議な――だから浮いてしまっていた待夢と、仲良くなっていく健人。だが、彼女に対する罪悪感は募っていく。その気持ちを抱えたまま、待夢と過ごす日々は甘く、でもほろ苦くて――。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[よっち]

高校入学した今井健人が、小学校の頃素直になれずにいじめてしまった苦い過去を持つ相手で記憶障害を持つ明日葉待夢にまさかの再会を果たす物語。いじめていた健人を覚えておらず、周囲から浮きがちな待夢を助けるうちに惹かれ合ってゆく二人。だからこそ過去を隠していることに苦悩する健人。ふとしたきっかけで気づいた過去には動揺もありましたけど、一方で彼女をたくさん救ってきた今があって、「過去は変えられないけど未来を変えられる」と待夢の記憶障害の原因を突き止め、二人で乗り越えようと奔走する姿が心に響くとても素敵な物語でした。

2017/06/30

[まるぼろ]

市立条東高校に入学した今井健人は小学一年生の時に二ヶ月間だけクラスメイトだった明日葉待夢を再会するが、彼女はその小学生時代に健人がいじめてしまっていた少女で、彼女は健人の事を覚えていない様で…と言うお話です。普通に面白かったです。健人と待夢が親密になるに従って健人の中の過去の罪悪感が膨らんでいく訳ですがアルバムの件があったにせよ潔く謝れたのは好感が持てました。タイムリープの話は待夢が発作を起こさなくなる事を踏まえて考えればこの話の持って行き方も有りかな、と。終わりよければ…ないい作品でした。

2017/07/18

[nishiyan]

高校に進学した今井健人は小学生の頃にいじめていた明日葉待夢と再会する。待夢は原因不明の病におかされており、過去の贖罪から待夢を助ける。そこから二人の仲は親密になって…。親密になっていく中で、苦悩する健人、健人の秘密を知ってからも一途な待夢が良いですね。二人を温かく見守る友人の存在と爽やかです。病の原因と全てを知った時の待夢の行動は過去との訣別なのだろう。二人の今後はとても気になる。新シリーズとのことなので。次の巻も期待しています。

2017/09/09

[KUWAGATA]

わかつきさんの作品の魅力は、くるくると表情の変わる魅力的なヒロインと、本職がポルノ作家とは思えない(？)登場人物の幼いまでの初々しさにあると思うのですが、本作でもその辺はしっかりとおさえられていて、安心のわかつき作品でした。ストーリーの展開には、やや？な部分や飛躍しすぎな点もありましたが、基本的にはさっくりと楽しく読了しました。新しく誕生したこのカップルをずっと温かく見守っていたくなる、そんな作品です。

2017/07/01

[真白優樹]

かつて虐めてしまった少女、待夢に再び出会った少年、健人。そんな二人が惹かれ合っていく物語。―――謝りたい事がある。だから君に手を伸ばす。かつて傷つけてしまった彼女。再び惹かれてゆく心。そして彼女を蝕む記憶の欠落。そんなどうしようもない事に見える事に、必死に、全力で食らいつき乗り越えていくこの物語は、健人が罪悪感に苛まされながら、その罪悪感と、彼女を蝕む記憶障害に立ち向かい、待夢と共に乗り越えていく、直球ど真ん中、王道な初々しい純粋な恋物語であり、心が洗われ心に響く優しい物語である。 うん、面白かった。

2017/07/03