内容説明
2115年4月、レトロゲームレビューサイト「ザ・ビデオ・ゲーム・ウィズ・ノーネーム」が開設した。長いゲーム史において低評価とされた数々のゲームを通じ、管理人が至るゲーマーのいやはてとは……?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
田氏
27
これは凄いぞ。未来のクソゲーレビューサイトというフォーマットに、SFと哲学が濃縮されている。肉付けすれば一つ一つに短編小説が書けそうな"ゲーム"のアイデアを、惜しげもなく21本も投入し(しかもカクヨムでの連載はさらに続く)その発想を礎にして、高い文章力で練りあげられていく思考実験。直接そうとは書かないまでもぼんやり見えてくる、現実とは何であるか、知能や思考、感情のありかとは、という思索。そして、私を私たらしめるのは「存在」なのか、それを構成するパーツを全て入れ替えても変わらぬ「目的」か、という問いに至る。2019/06/27
りー
23
これから先作られ得る未来のクソゲーのレビューブログをひたすら読み続けるという、ゲーマーでも何でもない僕には厳しい読書と覚悟していたら、これが面白い。あの時紹介されていたゲームがこの展開のための伏線になってたのか!とか、ゲームが低評価になった理由が未来の社会情勢に基づいたものだったりして、来るべきディストピアを示唆していたり、小説としての作りの面白さに関心しきり。ボリュームが結構なものなので読み切るのに体力は必要だけれど良きエンターテイメントだった。2019/04/21
miroku
23
架空のゲームのレヴューの連続が、ひとつの物語で成立している事への驚き。称賛すべき企てだ♪2019/02/20
EnJoeToh
19
傑作。2017/08/25
もち
17
「それでは、ごきげんよう」◆2115年の世界で、レトロな駄ゲームをレビューする。リハビリ用ソシャゲ、真実を映すFPS、読まないテキストADV、遠すぎる不正があった位置ゲー、月世界のACT。老いた管理人の、不屈のゲーム愛が行き着く先は。■各作が不評だった理由は、抱腹絶倒のものから背筋が凍るものまで様々。一見面白そうなゲームへの視線が反転する、その瞬間が恐ろしくも癖になる。レビューの背後を彷徨う、名も無きゲーマーたちの哀歌にも心を打たれた。2019/10/26




