内容説明
「熱狂や暴力」はなぜ「大衆動員」に結びつきやすいのか?国民党による近代国家建設前夜の1920年代、開港都市として急激な経済成長をとげた広東・上海・武漢の三都市を舞台に、中国共産党と国民党がそれぞれの思惑から労働運動を動員に利用していく過程を描き、その後に続く「熱狂と動員」のメカニズムの起源を解き明かす。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
BLACK無糖好き
17
1920年代中国の労働運動と国民党・共産党の動員工作を、広東、上海、武漢の三地域を対象に掘り下げて分析し、中国社会で見られる熱狂や暴力を伴う大衆動員のメカニズムの起源を解き明かす試み。農村から開港都市へ流れ込んだ労働者は、傭兵や匪賊の狭間を行き来する流動的な余剰人口となり「中国労働運動」の社会的基盤となった。「孤立した集団」が相互に争う世界をコーンハウザーの定義を踏まえ「原子化した社会」と著者は表現している。◆膨大な量の関係史料に目を通す著者の、研究にかける意気込みに感服した。2018/10/19
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