内容説明
人類は何千年も前から香料を利用してきましたが、じつは「匂い」を感じるメカニズムや、その正体が何かということについては、長い間謎に包まれていました。自然にはどんな香りが存在するのか?人は新しい香りをどのように作りだしてきたのか?アロマテラピー、香水、シャンプーや石鹸などの香りは、人体にどのような影響を与えるのか?香りの神秘を最新科学で解き明かします。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
徒花
271
ブクログでプレゼント当選した一冊。もっと「人はどうやって香りを感じるのか」という内容がメインなのかと思ったら、どちらかというと「世の中にはどんな香りがあって、それはどんな特徴があるのか」というのを、化学式を用いながら説明していくページが大半を占めていて、がっつり文系の自分にはなかなか読むのがつらかった。ただ、香りを文字で表現する方法や、香りが人間の体にもたらす紅葉の部分はおもしろい。また、香りというものが現時点でも結構研究されていないことも理解できた。2017/07/08
なかしー
39
匂いの感じ方や言葉での表現方法など実際の研究で使う用語を解説。 香り成分の抽出装置や方法、生体への反応機構などある程度科学の知識がないや香水などを使用した事がない方だとイメージしにくかったり、難しいと感じる所が多いかもしれませんが、とても面白い内容です。2019/05/12
kaizen@名古屋de朝活読書会
25
#感想歌 嗅覚の表現言語借用が多く皮膚への刺激視覚感情2017/09/30
猫路(ねころ)
15
香りや匂いについて全く知りませんでした。精油の抽出方法も図解で、香りも色相環のように分類することができるんだあって、目からウロコなのであった。分子構造や濃度により多少の違いで匂いの感じ方が変わるのは驚きでした。合成香料の説明は難しくて飛ばしましたが、香りについてももっと科学的に発達すると良いですね。2024/08/23
藤森かつき(Katsuki Fujimori)
15
香りの表現や香りの分類など分かりやすい。視覚や聴覚は美術や文学、音楽といった教育を受けることで共通語を持っているし、味覚も互いに理解できる共通の味覚が経験的に得られているが、嗅覚の共通語は無く、他の感覚の語彙を流用することがほとんど、というのは確かに、と納得。「『自然から得た物質は安全で、人工的な物質には毒性がある』は正しくない。」も印象的。有機化学を駆使して合成することの最大の強みは、期待される性質を持つ化合物を創り出すことができることで、天然にはない魅力的な香りが見つかることも多いというのが興味深い。2019/04/14