文春新書<br> ブラック奨学金

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文春新書
ブラック奨学金

  • 著者名:今野晴貴
  • 価格 ¥896(本体¥815)
  • 文藝春秋(2017/06発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784166611126

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内容説明

容赦ない取り立て、雪だるま式に膨れ上がる延滞金……学生をしゃぶりつくす「高利貸し」の正体!

突然、身に覚えのない多額の請求が自宅に届く――いま全国各地でこんなケースが相次いでいる。奨学金を借りた若者たちが返済に行き詰まり、その保証人が日本学生支援機構(JASSO)に訴えられたのだ。

長引く不況から奨学金を借りる学生は増加し続け、いまや大学・短大生の約4割が利用。1人あたりの借入金額は平均300万円以上にもぼる。
だが雇用情勢の不安定化や「ブラック企業」の存在もあって、卒業後、返済に窮する若者が急増している。

滞納が続くと、JASSOは延滞分だけでなく、返済する予定の金額((元本および利子)を、裁判所を通じて「一括請求」する。そのため400~500万円といった莫大な額が突如、請求されることになるのだ。しかも、それら全てに年間の利息が5%にもおよぶ「延滞金」がかかってくる。

借りた本人が返済できない場合、請求は保証人に及ぶ。奨学金の借入時には親族が連帯保証人及び保証人になることが一般的だ。両親はもとより、祖父、祖母、おじ、おばにまで請求がいくことも珍しくない。しかも保証人に請求が行くまでに延滞金が雪だるま式に膨れあがっている。まるで、かつての消費者金融被害のような様相を呈しており、奨学金返済の延滞に対して2015年度に執られた法的措置は8713件にも及ぶ。

著者はNPO法人POSSEの代表を務め、これまで200件以上の奨学金返済の相談に関わってきた。本書では生々しい実例を豊富に紹介しているほか、すでに返済が難しくなってしまった人のために対処法も詳しくアドバイスする。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kinkin

84
大まかにかいつまんで読んでみた。あとがきから読むと、日本の教育は世界から転落すると書かれていた。国立大学の学費が30年で15倍に高騰、安定した職業も減っている。そんな中で今、大学に進学する者の4割、100万人以上が奨学金を借りている。しかし奨学金を病気や就職の失敗、家族の収入減や本人の死亡等で連帯保証人に高額の請求がいくこと。奨学金という名ばかりでその実態は血の通っていないただの金融業と同じではないか。途中世界でも異様な教育費政策という項もあった。大学においては高授業料、低補助だということを知った。2017/07/04

ばりぼー

38
奨学金を借りている学生は約4割に上り、一人当りの合計借入学の平均は無利子の場合で236万円、有利子で343万円にも上る(2015年度)。就職しても返済することができず、15年度に日本学生支援機構(JASSO)がとった法的措置は8713件にも及ぶ。日本の奨学金制度はほぼ全てが「貸与=借金」であり、貧困などに陥ったとしても連帯保証制度を通じてどこまでも返済を迫られる。経済的に困難な場合に適用される救済制度(減額返還、返還期限猶予、返還免除)もほとんど利用できず、退学や自己破産に追い込まれる者が後を絶たない。2018/03/04

りょ

35
奨学金を借りなければいい、と短絡的に考える人がいるけれど借りざるを得ない人も居る。自分自身も、大学院で奨学金を借りてたので、社会人の今返し続けている。自分の場合は、自らの意思で借りて、今も問題なく返し続けているが、「返せる現状で本当に良かった」といつも思う。本書を読むと、様々なえげつない事例を知ることができる。自分の経験上、良くないと思うのは、学校で奨学金の説明の時にマイナスの部分をしっかり説明しないことだと思う。場合によっては綺麗事の塊のような動画を見せられるから、本当に良くない。無知の先生も多いし。2020/01/16

緋莢

27
図書館本。約4割の大学生、100万人以上が利用する奨学金。卒業し、就職して何事もなく返していければ問題ないが、ひとたび返済が滞れば容赦のない取り立てと厳しいペナルティ、果ては保証人となっている親や親せきにまで請求がいく事も。シェルターに逃げ込んだ女性にまで取り立て訴訟を起こす、ほとんど使えない返還期限猶予制度等、驚く事ばかりでした。一番手っ取り早い方法は給付型奨学金以外は 全て「教育ローン」という名称に変更し、ローンの内容を 熟知させ、猶予制度を分かりやすくする事でしょう。2018/01/13

skunk_c

23
今野氏らしい大きな視野からの分析と、POSSEのヴォランティアが足で集めた裁判記録を組み合わせ、日本学生支援機構(JASSO)が学生の支援とはほど遠い「取り立て」を行う実態を詳しくレポート。貸与型は実質はローンであり、JASSOのホームページでその堅実な資産運用(つまり厳しい取り立て)を誇っているという話には唖然。結局利息稼ぎってことだ。奨学金がかつての前借金の役目を担って、ブラック企業・バイトからの足抜けを困難にしているという指摘はこの著者ならでは。減額法や万が一の手段など具体策も紹介されている。2017/07/03

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