内容説明
「医療介護の一体改革」の言葉を生んだ制度改革のキーパーソンが、一連の改革過程をたどりながら、社会保障の意義と役割、制度の仕組みと改革の概要、さらに医療と政治経済との関わりを平易に解説。そして、誰もが安心して暮らせる地域社会づくりに向け、喫緊に取り組むべき課題を提示する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Francis
14
日本で社会保障を語らせたら恐らく最強の経済学者、権丈善一先生のご著書。旧民主党の「消費税増税せずとも充実した社会保障は実現できる」と言うトンデモ政策への容赦ない批判。そして日本は国家財政の赤字が累積しているため良くて高負担中福祉止まりになることを述べた後、権丈先生の社会保障国民会議での苦闘が述べられる。日本の民主主義の程度の低さには呆れ返ってしまった。それでもなお経済学者の立場から日本の社会保障を守り抜こうと苦闘されている権丈先生には本当に頭が下がる思いです。2020/06/06
脳疣沼
4
日本は財政的に、高負担で中福祉の国家にしかなれないという悲しい現実を直視しないといけないとのこと。進むべき方向ははっきりしているが財源がない。消費税増税も延期されたし。世間ではいまだに民主党的な考え方(無駄を排除して公務員の給与を削減すれば増税なんて必要ない)が力を持っているので、なかなかうまくいきそうにない。某大ヒット怪獣映画の中で、廃墟を前にして「スクラップアンドビルドでこの国はのしあがってきた、だから今度もやれる」とかいうセリフがあったが、そこまでスクラップされなきゃダメなんかなぁ。2016/10/02
k.f
2
”医療経済学”の基礎知識があれば改革への方向性に納得できるだろう。むしろ医療という特殊な市場はその理解がなければ必ず間違えた判断をする。どこまでデータで制御できるか、どこから力勝負となるのかこの辺りが医療介護の改革で難しい点だあった。2016/12/22
mock-shiki
1
webより本の体裁の方が、読み込みやすい。まず「保険料と租税財源」「低い国民負担率」「名目値とGDP比」「人口構成比の就業者-非就業者」は使いこなせるようにと。2016/03/12