創元推理文庫<br> ミツハの一族

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創元推理文庫
ミツハの一族

  • 著者名:乾ルカ【著】
  • 価格 ¥682(本体¥620)
  • 東京創元社(2017/06発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784488431129

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内容説明

未練を残して死んだ者は鬼となり、村の井戸の水を赤く濁す、そう言い伝えられている北海道・白石村小安辺。このままでは水源は涸れ、村は滅んでしまう。未練の原因を解消し、鬼を常世に送れるのは、“ミツハ”と呼ばれる八尾一族の「烏目役」と「水守」の二人のみ――。大正12年、烏のように黒々とした瞳を持つ、帝国大学医学部に通う八尾清次郎に報せが届く。烏目役の従兄が死んだと。墓参りのため小安辺に赴き、初めて水守の屋敷を訪ねた清次郎は、そこで美しい少女と出会う。過酷な運命を背負わされた二人の姿を鮮烈に描いた連作ミステリ。/解説=太田忠司

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nuit@積読消化中

100
“鬼”や“村の因習”などのキーワードから、てっきりおどろおどしい怪奇ものかと思いきや、なんとも美しい物語に意表を突かれました。しかし、読み始めるとその世界に誘われて一気に読了。大正12年、神の力を借りて水源を守るといった因習が連綿と受け継がれる北海道の白石村小安辺村でのお話。この世に未練を残して死んだ者は鬼となり、命の綱である水源をを赤く濁す。その鬼を見るのが水守、その未練を断ち切り鬼をあの世に送るのが烏目役。そしてその水守は…これ以上は深くは語りませんが、この著者の他の作品も読みたくなりました。2017/09/10

takaC

78
随分と記憶に新しいなと思いきや、単行本を読んだのも2017年になってからだったみたい。年の最初と最後のルカ小説が同じというのも面白いから次のを読むのは年明けにしよう。2017/12/13

さつき

66
表紙の美しさに惹かれて読みました。大正時代の北海道が舞台ですが、私の母方の祖父はちょうどその頃に道南で生まれました。舞台となってる札幌近郊とは、また事情が違うだろうとは思いますが、当時の雰囲気を想像して楽しかったです。信州から村ぐるみで入植して新しい土地で暮らすようになっても、風習やしきたりを守り生きることは色々困難だったろうと思います。物語のラストでは新しい時代がくることが示唆されていて、希望を持てる反面、そうして消えていくだろう世界に哀惜の思いも感じました。悲しく幻想的で心に残る作品でした。2018/04/09

momi

52
大正時代の北海道が舞台!!因習を守る一族の悲しい話!!この世に未練を残して死んだ者は鬼となる!!鬼の未練の原因を突き止め、思いを断ち切る「鳥目役」と「水守」水音を感じる美しい世界感と人の思いの悲しさで進行していくと思っていたら…ギョッ!驚きと哀しさのラストが待ち受けていました!!どうして…彼はそんな酷いことができるのだろう??こんなことをいったら見も蓋も無いけど、因習など守らなくてもいいのに…悲しすぎる!どうか「水守」から解放されて自由に生きられますように…。2017/08/29

カブ

48
大正12年、北海道を舞台に人と人との情愛溢れるミステリーロマン。この世に未練を残して死んだ者は鬼となり水源を涸らし村を滅ぼす。鬼を常世に送れるのは「烏目役」と「水守」の男女だけ。5篇の連作であるが、最後の1篇のために他の4篇はあるような、最後は常世での再会を約束し独り旅立つ。四季の美しさ、冷涼な香りと松葉に似た香り、もう一度必ず会える確信、全てが美しい。2018/04/19

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