内容説明
二度のがん、放射線治療、そして、体に刻まれた後遺症。親は、子は、くり返される試練をどう乗り越えたのか? ある日、突然子どもに襲いかかり、家族を恐怖の極限にまで追いやる「小児がん」。患者と医師の両方の視点で闘病の全過程を見つめ直し、子どもの命をめぐる真の闘病の姿を浮かび上がらせる。小児がんに挑み続けた家族の闘いと再生を主治医が描く渾身のノンフィクション。
目次
プロローグ 足の曲がらない少女
第一章 母から娘へ
第二章 死に至る病
第三章 満天の星を見上げて
第四章 制圧への道
第五章 悪夢、ふたたび
第六章 がんの後にくるもの
第七章 挑まれ試される家族
第八章 ゴールテープの向こう側
エピローグ そして得たもの
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
okatake
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千葉市で小児クリニックを開院している著者とある小児がんを患った一家との8年間の記録。医者と家族の信頼感から生まれた一冊です。安易な同情では語れません。命と左脚との引き替え、その後の脚との関わり、いろいろ考えることはあります。ただ、この子だからこそ、この苦難を乗り越え、今後も乗り越えていかれると思います。 表紙のちひろさんの絵も素敵です。2015/05/16
小鳥遊小鳥
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悪性度の高い小児がんの治療を乗り越えた後、手術・放射線治療を行った足に障害を負った子供の、多分現在進行形の物語。小児がんの晩期障害についてはまだまだ取り上げられることが少ないという印象なのだけど、乳幼児期にがん治療を受けた子供のその後の困難さがわかる1冊。2014/07/19