内容説明
今、注目される「アウトサイダー・アート」。しかし「障害がない」がゆえに既存の福祉制度では取り上げられず、世の中から評価されないまま表現活動をする人々がいます。長年福祉現場で働き、福祉と 芸術の狭間にある表現を紹介し続けている著者がそんな「周縁アー ティスト」の人生に迫った渾身のドキュメンタリーです。
目次
はじめに
クイーン・オブ・セルフィー 西本喜美子
妄想キングダム 遠藤文裕
隠密ツーリスト 熊澤直子(忍者ぶきみ丸)
怪獣ガラパゴス天国 八木志基
昆虫メモリアル 稲村米治
ラーテルになりたい ラーテルさん(あなぐまハチロー)
ドローイングディズ 辻修平
路上の果て 爆弾さん
お水のカラクリ道 城田貞夫
極彩色のラッキーハウス 小林伸一
落書きラビリンス 野村一雄
進化するデコ街道 山名勝己
ヲタの祝祭 武装ラブライバー(トゥッテイ)
記憶を包む極小絵画 大竹徹祐
草むらの親善大使 藤本正人
あの味を忘れない 小林一緒
進化を続ける愛の砦 大沢武史
仮面の奥の孤独 創作仮面館
世界を治癒する者 解説:花房太一
おわりに
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
阿部義彦
35
行きつけの本屋の美術書関係の棚で発見。自称アウトサイダー・キュレーターの櫛野展正さんの著作。都築響一さんが好きな人ならきっと気に入ってもらえると思います。合計18人の作品と切り離せない作者の来歴が語られる。自分で取った昆虫で武者人形を作った稲村米治さん、87歳でmacを使いこなしセルフポートレートを撮る西本貴美子さん、忍者ぶきみ丸こと隠密ツーリストの熊澤直子さん、武装ラブライバーのトゥッティさん、ホームレスが勝手に草刈機を使って河川敷を刈り込んでミッキーマウス等を描いたり、頭ぶん殴られたい人は読んでみ!2017/06/28
くさてる
24
いわゆるアウトサイダー・アートのキュレーターが選出した18人のアーティスト(と呼ぶのが正しいかどうか私には分からないけれど)のインタビュー。アートってなんだろうなと思う。すごいけれどそばに置きたいか、面白いけれどこの人が自分の家族ならどうか、笑っちゃうけどこの家が自分の隣にたっていたらどうか。美術館で眺めるものと違って、そういう生々しさを突きつけてくるような作品が多かった。アートってなんだろうな、繰り返しそう思いながら読みました。2017/11/09
mittsko
20
著者は「クシノテラス」の櫛野展正さん、Xでもフォローさせていただいてます…_(._.)_ 個人的に、アウトサイダー・アートにきわめて強く惹かれてしまうので、氏のお仕事ぶりにはいつも注目させていただいてます。本書も、ひたすら興味ぶかいばかり。アウトサイダー・キュレーションとは何か、注意深く読ませていただきました ※ 櫛野さん自身で撮られた?写真もたっぷり。これが当然、非常に面白い。写真と文章、写真と文章、とグルグル交わっているさまが気持ちよいです なお、美術評論家の花房太一さんの論考も一遍入ってます2024/01/05
gtn
20
大竹徹祐氏の作品が印象的。自閉症スペクトラムの障害を抱えているが、ガムの包み紙の裏に、記憶を頼りにテレビ番組の一場面を描く。画風もいい。天才である。2018/04/15
imagine
19
優れた探検家が、現地で見聞きしたものを文章で再現できるように、櫛野展正はアウトサイドアートのそれぞれの特徴を的確に伝える文章力を持つ。作り手に対するリスペクトがそれを根底から支えている。「彼のような別の評価軸で生きている人たちには、とても太刀打ちできない」、「仮面をかぶったままいろんなことから逃げているのは、僕たちのほうかもしれない」などは名文。他人とは違う唯一無二の人生を求めて、表現せずにはいられない者たち。それを追い続ける櫛野展正の姿もまた、唯一無二のアウトサイダー・キュレーターとして、輝いている。2019/05/19




