内容説明
ハレー彗星は、宇宙をめぐり76年毎に地球へ接近して、その雄大で美しく、そして威厳のある姿を人々の前に現わします。
小説の舞台は、1910年、1933年、1986年。
そして2061年。
1910年、1986年、ハレー彗星の出現とともに恋が始まります。
1910年、天文台で出会った不思議で美しい女性、晴海。売れない小説家志望の国善。
ふとしたキッカケで麻布にある天文台で出会い、惹かれあい、すれ違う二人。
なかなか進まない晴海にかくされた謎を感じ始める国善。
時代は流れ1933年、1986年、そして次にハレー彗星が地球に接近する2061年。
晴海の謎が解かれ、再び想いが時代を超えてつながる予感が…。
※月刊誌「月刊天文ガイド」初の連載小説「麻布ハレー」に加筆し、書籍化したものです
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みかん🍊
92
76年ごとに地球に接近するハレー彗星、1910年麻布天文台に集う人々と天才少年、そして作家志望の青年と赤道儀室の女性、76年ごとに巡り会う二人、ロマンですね、作中にでてくる「早池峰物語」は柳田國男 「遠野物語」、過去と未来を駆け抜けるハレー彗星、宇宙の神秘です。2017/06/20
ゆきちん
62
【当選献本】初読みさん。76年に一度やってくる惑星ハレー。1910年天才少年の付き添いで麻布天文台に身を置くことになった作家志望の國善はそこで運命の女性と出会い、2人の未来をハレーに乗せて76年後1986年の少年に託した。2人の未来は?…天文ラブファンタジー?という分野があるかどうかわからないけど、これ、好きな人はたまらないと思うー!「ぼくは明日、昨日のきみと〜」とか「キミスイ」とか好みの人は是非オススメ。純粋な心でホッとキュンとしたい人は読んでみるべし。2017/03/17
きっしぃ
52
ハレー彗星が接近するとき、時を越えて再会する男女の物語。ハレー彗星は76年ごとの周期で地球に接近するらしい。前回はちょうど私の生れた年でした。なので、残念ながら見たことがないし、見れるかもわからないのだけど…。76年とはそれくらい長い期間だ。恋愛小説として読むには恋愛要素が物足りないけど、幻想的で切ない雰囲気はとても伝わってきました。織姫と彦星でさえ一年に一回は会えるのに76年で何日間しか会えないなんて…(´・ω・`)ファンタジーとして捉えないともう辛すぎて耐えられない…。2017/04/02
ぽろん
51
「天国の本屋」の作者の新作という事で手に取ってみた。ハレーすい星の伝説とでもいうのか、上質なロマンティックな物語でした。2017/04/05
てつ
47
ハレー彗星の周期76年をまたいで紡がれる「星が綺麗ですね」という言葉。ミステリーやリアリティーにまみれた自分には新鮮な物語だった。2017/05/07