内容説明
北朝鮮問題、領土問題、拡張する中国、暴走するトランプ・アメリカ
数々の国際紛争を調停してきた平和学の世界的権威が、いま日本のため、緊急提言する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
40
集団的自衛権は日本を守るどころか、日本の安全を脅かす。殺された側の怒りや悲しみは、必ず反撃や復讐の暴力となって米国と同盟国に襲いかかる。テロの本質:無視、回避できないものが欧米を襲う(17頁)。1958年からガルトゥングが積極的平和を使い始めた。積極的平和=信頼と協調の関係がある状態。アベが対米追従の姿勢を積極的平和というのは悪意ある言い換え、印象操作と憤る(19頁)。 分裂国家、共同体、連邦、統一国家の4段階が存在する(60頁)。 2017/09/18
カザリ
25
ヨハン氏が提唱している日本と中国、南北韓国とフレンズになる北東アジア共同体North East Asian Community 口にするだけで抹殺されそうだけど、個人的に略称がNEAC ネアックじゃなくてNEACO その名もニャーコがいいにゃあwぶっ殺される笑2019/04/14
樋口佳之
17
ガルトゥングの現状分析と解決策については賛否が分かれるでしょうが、明快でわかりやすいことは確かで、長年の紛争調停の経験で得た確信が感じられます。右派・左派、保守・リベラルというステレオタイプな枠組みには収まらない発想(訳者あとがき)/軍事力や軍事同盟への考察やアプローチの主張なんかも読む前の想像とはずいぶん違っていたです。2017/08/15
なかちゅう
13
すみません、まだ全部読み終わってないけど。こんな本あるよ~という事で、ぜひ選挙前に一読をお勧めしたい。「「集団的自衛権」や「憲法9条改正」の前に、それ以外の「代替案」があることを日本人は知らない」。半分ほど読んだだけですが、かなり目からウロコでした。もちろん、鵜呑みにするわけにはいかないとは思いますが、現状のままでは無知による行き過ぎた恐怖により過剰防衛に走る、もしくは誘導される可能性があるのではと思いましたし、武力行使によらず、本来の「積極的平和」を構築できるのではないかという希望を与えてくれる本です。2017/09/28
ケニオミ
13
『平和学の父』と言われているだけあり、当事者の妥協ではなく、満足が目標であることがまずすごい。僕の考える中国観や北朝鮮観とは全く異なる考えをもっており、行き詰まりに陥っている中国や北朝鮮との関係も、その考えで少しは改善するのではないかと思えてきます。とにかく諸悪の根源は日本が米国の属国となっていることだと論じています。米国は自ら神に選ばれた国を自認しており、悪は成敗するという独善的な世界観に取りつかれています。集団的自衛権を振りかざし、そんな国と行動を共にすると・・・結果はテロ誘発と隣国からの不信ですね。2017/07/31