内容説明
▼追放、居住許可、移民、難民……絶えざる人の流れに彩られた「フランス・ユダヤ」の道程を語り下ろす、2000年の歴史絵巻、全2巻!
▼アメリカに次ぐ〈ディアスポラ(離散地)〉のユダヤ人口を擁する、現代フランス。下巻では、両大戦間期のアシュケナジ移民、ヴィシー政権下の迫害から、戦後アルジェリア等からのセファラディ移民の流入をへて、シオニズム賛否に揺れる現代まで、「フランス人」と「ジュイフ」の二重性を生きる人々の感性を探る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
BLACK無糖好き
18
下巻で注目したのは、戦後フランスにおけるユダヤ教徒・ユダヤ人の人の移動で、北アフリカのチュニジア、アルジェリア、モロッコから大規模な流入があり、それまでアシュケナジ系に占められていたフランス・ユダヤ世界が、1960年以降、セファラディ系が半分を占めるようになった点。特にアルジェリアの独立に伴い、フランスへ「本国送還」を果たすアルジェリア・ユダヤ教徒・ユダヤ人たちが、フランス社会でユダヤ共同体の構築に寄与することを目指す反面、独自の「ユダヤ人性」の探求にも乗り出す様が印象に残る。 TBC2020/05/01