内容説明
アルカイダとの戦いで初めて注目を集めた米軍の遠隔操縦航空機(RPA)戦闘プログラムの内情が、パイロットにより初めて綴られる。爆音も揺れもなく、ボタンひとつで数千キロ離れた敵を殺戮する異常な心理とは?
※本書は、2015年12月26日に配信を開始した単行本「ハンター・キラー アメリカ空軍・遠隔操縦航空機パイロットの証言」をレーベル変更した作品です。(内容に変更はありませんのでご注意ください)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
utinopoti27
97
イスラム過激派たちから恐れられている『白い悪魔』無人攻撃機プレデター。本書は、離れた場所からリスクを負うことなく対象を抹殺する、一方的な殺戮兵器に関わってきた米軍将校が、その内幕を語るドキュメンタリーだ。一見ゲーム感覚にも思えるが、モニターの向こうにいるのは生身の人間であり、凄惨な現場の映像が脳裏から離れないという。大国アメリカの正義が具現化したがごとき『神の雷』の前では、何者も抗うすべはないということか。他にも普段は窺い知ることのない様々な実情が綴られており、読み手の知的好奇心を満足させてくれる一冊。2019/06/07
Tui
26
遠くアフガニスタンを飛ぶプレデターを操縦し、ラスベガス近郊の基地から自宅へ帰る路上、殺した敵の残像が蘇りパニックに陥りかける。またある作戦展開場面では、ミサイル命中後に逃げる生存者を「光をいきなり当てられたゴキブリのように」と喩えてもいる。同一人物内のこの乖離が、著者が軍人であるこの本のリアルさだ。一方的に攻撃する立場から書かれているが、無人機同士の戦いやテロに使われる危険も将来的にあるだろう。地上の惨事をアップで見る兵士の精神的負担をなくすため人工知能を搭載することも。このシステムの進化は、かなり怖い。2016/03/25
スー
19
27プレデターのパイロットで後に指揮官になる人が書いた本です。もっとゲーム感覚で任務をこなしていると思ってましたが彼らは他のパイロット達とは違い高性能カメラを見ながら任務を行うのでスナイパーの様に目標の最後を見届け自分達の行った跡を見て目標を確実に仕留めたかまで確認して任務完了、しかも場合によっては標的を数ヶ月監視し時には親しみの様な感じを持つこともある、思った以上にハードな職業でした。アルカイダの幹部の監視や殺害そしてアフガンで行方不明のシール隊員の捜索任務に従事していたのでとてもリアルでした。2022/04/04
樋口佳之
5
完全非対称状態で家族と電話中の相手を爆殺。/相手が敵だという思いだけが精神の均衡を維持している2016/08/10
田中峰和
5
トップガンの世界同様、同僚との友情や競争、挫折と復活が描かれ引き付けられる面もある。しかし、所詮、殺人兵器のパイロットやオペレーターの話。インターネット同様、戦争や軍のかかわる開発は世の中を変える。海のものとも山のものともわからぬプレデターの操縦士に志願するものも少なかった03年、著者マッカーリーには先見の明があったのだろうか。アフガンでテロリストを見張るプレデターを、ラスベガス近郊の基地で操縦するマッカーリー。読み進むうちに、ハンターと同化し標的すべてを敵視する。「米国の敵は世界の敵」の詐術にはまる。2016/02/19
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