戦国武将の病が歴史を動かした

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戦国武将の病が歴史を動かした

  • 著者名:若林利光
  • 価格 ¥850(本体¥773)
  • PHP研究所(2017/06発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784569836270

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内容説明

小早川秀秋は関ヶ原の戦いの最中に突然西軍を裏切ったのだが、これは異例のことである。何でもありの戦国時代でも日和見は非常に嫌われており、裏切りが遅れるとたとえ寝返った側が勝っても罰を受ける可能性があった。なかなか寝返りに踏み切らなかった小早川の判断力低下は、実はアルコール性肝硬変が引き起こした肝性脳症が原因であったと著者は考える。昔の武将たちは十一歳から十七歳の間に元服して大人の仲間入りをしたので、若くして酒浸りになる者が多く、小早川は数え十九歳でアルコール性肝硬変になってしまったのだ。そして遅れに遅れた裏切りが、結果的には絶妙な作戦となり、東軍勝利を決定づけたのである。そのほか、長らく謎とされてきた豊臣秀吉の死因や、信長軍を撃破した直後の上杉謙信を死に追いやった病などを、当時の史料に基づいて明確に診断する。 〈本書に登場する“患者”の皆様〉●武田信玄――裏切りのショックが病死につながった ●上杉謙信――信長軍に勝利した直後の死 ●織田信長――「本能寺の変」がなくても早晩亡くなった? ●豊臣秀吉――謎の死の原因を解明 ●前田利家――家康との和解をもたらした病気 ●徳川家康――「健康力」で天下取り ●徳川秀忠――移動する皮下腫瘤の怪 ●小早川秀秋――脳の病が生んだ「支離滅裂」ぶりが脅威となった ●吉川元春――元春の病死が広家の西軍見殺しの一因となった ●池田輝政――実現しなかった「豊臣と徳川の共存」 ●蒲生氏郷――寿命戦争で家康に敗北 ●宇喜多直家――「尻はす」という謎 ●筒井順慶――「洞ヶ峠」のストレスはすさまじかった ●毛利元就――七十一歳のときの子どもが、のちに大名となった ●伊達政宗――ドクターそこのけの健康通

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

りらこ

27
医師ならではの症状から病気の診断をしようという試み。文書に残されている症状から推測。現代と衛生観念、食生活、飲酒などの年齢から違う戦国時代、そして戦と隣り合わせの時代。生き残るためには健康であることも大切だった。人生50年を地で行く時代。筆者が医師だからか、戦国時代の医師たちへの眼差しがあたたかい。2022/01/30

金吾

20
医師という立場からの病気に関する話は面白かったです。しかし根拠がなく後付けと思える点が多数であり、また歴史知識の明らかな誤りがありますので信憑性はあまりないのではと思いました。読み物としてはいいかなと感じました。2021/07/15

maito/まいと

12
歴史は人が動かし人が帰る。ならば、人を見ることは歴史を見ることだ。そんな観点を立証できることの一つとして大注目なのが医療。過去にも様々な医師が戦国武将の病気について分析していたが、本書もその一つただ、著書は日本史にも結構精通しているらしく、病で実現しなかったことや、もし病ではなかったら、といったif話しも豊富に掲載している。比較的医療的観点も奥深くまで突っ込んでいない分、歴資本に近い感覚で読めるので読みやすい。2017/05/25

すうさん

6
かつて「戦国武将のカルテ」という本を読んで大変面白かったので、ひょっとして同じネタ本かなと思ったくらい。殿さまの最期はきちんと記録されているので、現代からもその症状を検討すると大体病名が予想される。これは前述の本も同じ。だが生来持っていた病気や加齢による病よりもやはり戦国時代という高ストレスの時代やそれによる深酒の影響が大きいと感じた。それにしても乱世とは権謀術数の時代で勝てば良い、生き残れば勝ちの時代だと思った。結局他人以上に長生きした家康の総取だったからだ。それが結論。2020/03/13

18_y_1977

6
脳神経医による戦国武将の死亡診断。戦国時代の名医、曲直瀬玄朔の著作「医学天正記」からの検証が多く取り上げられている。全然知らなかったが、曲直瀬玄朔の患者がすごい!正親町天皇、豊臣秀次、小早川秀秋、蒲生氏郷、徳川秀忠など有名武将がズラリ。この人を取り上げた小説があったら是非読んでみたい。2017/07/07

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