内容説明
「いらっしゃい。地獄へようこそ。ここはなにもかもが楽しくなってくるほど腐ってますよ」
開発途上の植民惑星に降り立った学術調査団が、内戦激化を理由に保護を要請してきた。地球連邦宇宙軍は、近傍にいた嚮導駆逐艦〈島風〉から国場大尉率いる陸戦隊を救出に派遣する。だが、その惑星には想像を絶する〈人類〉の姿が。そして、正統人類連合と自由生態党との間で、恐るべき異形の“戦い”が繰り広げられていた……。
後に連邦首相となる国場の若き日の“血塗られた歴史”を描く、待望の新作。『地球連邦の興亡1』所収の短篇「救難任務/泥森の罠」を全面改稿・大幅加筆した衝撃の長篇!
書き下ろし短篇「攻撃目標G」を併録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鐵太郎
18
作家や詩人、作曲家などの最後の作品を、白鳥の歌と言うことがあります。そういう意味ではまさにこれは白鳥の歌。しかし大ちゃんの骨太の作品を白鳥になぞらえるのはどうなのか。──佐藤大輔は軍隊というものを護民という義務を負うものとして描き、最後までその姿勢を貫きました。この最後の、殺戮の魔王として悪名を轟かした軍人・道場義昭を描くときも。白鳥などと言ったら、大ちゃんは大笑いしそうだ。 ──おまけの短編「G」は、彼の訃報がなかったらこれで大笑いできたのに。あの年で僕らを置き去りにするとは、この大莫迦野郎め。(涙)2017/05/25
ぶーにゃん@積ん読本解消中
8
佐藤大輔蔵出しシリーズの最後の本を読み終わりました。SFの姿を借りてはいるもののシミュレーション小説の珠玉の作り手さんらしい内容でした。軍隊として守るべき市民に対するあるべき姿を凜とした筆致でかつ諧謔を入れて表現する佐藤節は健在でした。軍人が前線で微妙な政治的判断を強いられる姿は南西の島でお隣りの国の嫌がらせを受けている公務員の船乗りたちとダブって見えました。砂漠の国の内戦状態を終結させる手段に対する考察は暴力的かもしれないけれど本書のような手段でしか解決しないかも?と考えてしまいました。2017/05/26
cavalier0201
6
あぁやっぱり面白いなぁ。佐藤作品でも好きなシリーズだっただけにもっともっと読みたかった…。内容は本編でも引き合いに出されていた「ハイリゲンシュタットの虐殺」エピソード。相手が化け物然としたアレではあるものの、フッケバイン以降お得意の構図。それにしても連邦陸戦隊強すぎる!テクノロジー差なんだろうけど、ネイラム戦ではどんな闘いになったんだろうか。2017/09/10
アオイ模型店
5
ついに読み終わってしまった。 これでもう未来はない。2017/10/19
zero
5
現代に置き換えてみると、槍と石で戦っているアフリカの部族間内戦に送り込まれた国連治安維持部隊のようなものか。圧倒的な戦力差ではあるだろうが、武力行使した時点で虐殺者呼ばわりされてしまうのは、いつの時代でも同じかも。2017/07/10
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