内容説明
「小さかった頃にはまだ町ん中に原っぱがあって……」先輩の原口さんが、呑み屋で知り合った男と思い出話に意気投合しているのを、ぼくはぼんやりと聞いていた。中年男二人の他愛ない話と思っていたのだが、その日から原口さんはおかしくなっていった――少年時代の記憶に潜む恐怖を描いた表題作ほか、130年ぶりに地球に戻った宇宙飛行士の過酷な運命を物語る「ウラシマの帰還」など、美しくも哀しい8篇を収録したSF作品集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
21
栗本薫さん、久しぶりに読みました。走馬灯面白い。となりの宇宙人は下ネタ満載・・・栗本さんこんな人だったんだぁ・・・もういないなんて残念・・・2014/08/08
ホレイシア
8
まだ持ってたよ。確かにSFでした。読んだ覚えのないものもあって狼狽したが、いや、1冊で2度楽しめたのだと言い聞かせている。わかってる、自己欺瞞です。2009/09/16
けいちゃっぷ
6
どこか懐かしい香りがするSF短編集。新鮮味は薄いですが、それぞれに「SFってやっぱりいいなー」と思わせる好短編集です。329ページ2009/06/12
unamaster
3
栗本薫さんのSF短編集。出されたのは94年ですが、短編自体は半分は83年前後のもの。当時、SFマガジンを定期購読してましたから読んだことがあるはずなんですが、読み終わってからそういえば読んだことがあるなあと思い出してきました。一遍毎に栗本さんの解説付きなのは楽しい。小松左京さんと筒井康隆さんに影響を受けていると書いていますが、彼女でなくとも当時の僕たちはそのお二人の小説を貪るように読んでいました。その他に星新一さん、眉村卓さん、平井和正さん、豊田有恒さん等々。中学高校時代はSF小説にどっぷりでしたねえ。2016/05/31
こよみ
3
峠の茶屋と最後の夏の終末感がいいなぁ パソコン日記とかは時代感じるけど2012/11/29