内容説明
袋の中身は何なのか?
開ければわかる。わかるが怖い。なぜなら……。
「超」怖い話の加藤一が贈る、忌まわしすぎる実話怪談!
伝説の実話怪談シリーズ「超」怖い話の最古参執筆メンバーにして、現在も四代目編著者として冬の「超」怖い話を牽引する加藤一が手掛けるソロワーク、「忌」怖い話。「超」怖い話とはまた違う抽斗から驚愕の怪が繰り出された。ペットの死に際に見た不思議な怪現象「時計回り」、パソコンの電源を入れるたびに体を這うものとは…「ぞわつく部屋」、出征する息子に持たせたお守りに纏わる戦慄の連鎖怪談「八咫烏」他、空恐ろしくも滋味深い28話を収録。ただ怖いだけが怪談ではない。恐怖を超えた何かがここにある……。ぜひご堪能いただきたい。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
219
死を扱う怪談は当然ながら重々しくなりますが、でも気持ちを沈み込ませずにエンタメの読み物として明るいユーモアをまじえて描き出す技は心憎くいつもながら本当に見事だなと思いますよね。大作ではなくても一編毎に確かな人生のドラマがあると思いますね。心から愛した動物との別れは辛いですが悲しみに沈む心を慰め癒してくれる物語です。『時計回り』吾妻さんの叔母の溺愛するチワワのポテトが、たった5歳で病死してしまったのと涙を堪えながら電話口で話す叔母の背後からキャンキャンと甲高い鳴き声が聞こえて来る。吾妻さんは霊感体質だった。2021/05/02
鬼灯の金魚草
33
鬼に憑かれた美少女はどうなったのでしょうか?とてもとても気になります。その後連絡先が取れない方々が心配です。タイトルの香典怪談なのに香典の話は一切ございません。2017/11/10
ネムコ
27
実話怪談は著者で選んでいます。語り口、ネタなど、やっぱり好みがありますね。そして、加藤一さん。自分が実話怪談に何を求めているかはわかりませんが、加藤さんの書かれるお話には、確かに私が求めてるものがある、と思いました。2018/11/05
澤水月
22
ラストの八咫烏は知らなかった戦中の風習など絡み良かった。てんでんこ は題から察せられる話。良いネタも混じるが総じていうと、、、、。書き手が「聞かされて困る」話は読み手はもっと困る2017/05/30
qoop
10
語り手が怪異として認識していなかった体験を聴き出すというのは、一種の観察者効果を及ぼしそうで怖い。冒頭の〈平常心で〉などはとりわけ業が深そうで厭だ。神沼三平太氏関連の怪談も何かを揺り起こしそうで… 大好物の妖怪譚は充実しており嬉しい。〈黒いふんどし〉も良いが〈タヌキ〉は最高だなぁ。古典は陳腐化しないのだ。他には〈てんでんこ〉〈ぞわつく部屋〉が印象に残る。2017/05/31