プラトン 理想国の現在

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プラトン 理想国の現在

  • ISBN:9784766419481

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内容説明

ユートピア論最大の【著】作『ポリテイア』(『国家』)は、理想の国家建設を目指す近代日本の魂を揺さぶった。やがて、全体主義のイデオロギーに利用されてゆく運命を辿った問題作の核心に触れる、野心的な一冊。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

棕櫚木庵

18
【1/3】専門家にとっては,日本における受容史についての優れたレファレンスなのだろうけど,素人の私には話の流れが追いにくく,読みにくかった.しかし,「『理想』を追う哲学 --- あるいは,現代のドン・キホーテ」と題する「序」は素人にも訴える熱があるし,細かな指摘には興味深いいものも多い.そしてなにより,本書の主題にも係る問題 --- 『ポリテイア(国家)』における国家論と魂の問題との関係 --- について,次の二つの指摘を得ることができた.その指摘とは:2020/07/14

さえきかずひこ

8
明治期に西周によりイデアは理想と訳され、プラトンの『ポリテイア』は木村鷹太郎によって英訳から重訳され『理想国』と題された。著者はこのことにヒントを得てわが国での、傾向としては浮薄なプラトン受容史を、先賢の遺した資料をもとに丁寧に追いつつ現代日本でプラトンを読み、それについて論じることの意味・意義を問うていく。超越的実在としてのイデアが無ければ善きことの根源的な根拠は見定められず、相対主義に堕してしまうと結論づけ、"辛抱強く冷静に"(P.254)"理想"について論じ考えてゆこうと呼びかける真に哲学的な一冊。2019/09/28

左手爆弾

2
プラトンの『ポリテイア』(国家)についての非政治的な読み方を斥け、アクチュアルな政治思想として捉え直す。第2部では、日本におけるプラトン受容と、「理想」という語の問題を取り扱う。このあたり、史料的にかなり細かい。筆者の結論は、「理想」に向かって国家を語ることは、たとえプラトンを批判したとしても、理想国家のプロジェクトに参加したことになる、というもの。すなわち、相対主義的な考えを棄て、理想を語り、議論し、その実現を目指して共に生きること、である。哲学と政治を繋げる思想として、実に重要である。2014/06/22

鵜殿篤

0
とても面白く読んだ。近代日本思想史に密接に絡んでくることをまったく想定していなかったが、その部分が予想外に面白く、勉強になった。「理想」という日本語の変遷について、本書はプラトンを軸に検討しているわけだが、改めて近代日本思想史全体の文脈の中で調べてみる価値があるなあと思った。それから、『ポリテイア』を政治的に読むか、倫理的に読むかについて。個人的には圧倒的に「教育的」に読みたいわけだが。しかしそう主観的に結論を出すわけにはいかない、重厚な議論の積み重ねがある領域なんだなあと、改めて痛感する。2017/08/05

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