内容説明
「アメリカよ、俺に喋らせろ!」――欧米「反捕鯨」連合の行く手に立ちふさがった日本の水産官僚、ひと呼んで「ミスター捕鯨」の執念と心意気。その不撓不屈の敢闘精神ゆえに欧米諸国からタフ・ネゴーシエイターとして恐れられた、IWC(国際捕鯨委員会)日本副代表の痛快無比な「戦闘記録」。著者は1992年から2005年まで、13年の長きにわたって日本の捕鯨外交の中軸として活躍した人物。欧米一流の外交攻勢に一度は惨敗を喫したものの、捕鯨同盟国をまとめあげ、理論武装を充実し、交渉方針を一変して、ついに南氷洋と北西太平洋の「調査捕鯨」を、日本固有の権利として認めさせた。その豪腕ぶりは、外務省をして「小松さんの外交手法を若手に学ばせたい」とまでいわしめる。「シー・シェパード騒動」や「大西洋クロマグロの漁獲禁止問題」に右往左往するだけの日本外交のていたらくに絶望している諸兄に、ぜひ本書の一読をお勧めします。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
秋 眉雄
15
商業捕鯨推進派の重鎮で元官僚・現大学教授の一冊。先ずこの本に期待して最も読みたかったのは『商業捕鯨再開後の展望』でした。しかし、それについてはただの一行も書かれていません。こういった立場の人がそれについて語らないというのは非常に疑問ですし残念でしたが、ま、それを差し引いても充分面白かったです。もう、そこここで海援隊1977年1月リリースのヒット曲が鳴り響くような、そんな俺様ぶりはある意味痛快でした。終盤の畳み掛けるように語られる言葉は、あちこち矛盾を孕みながらも危うく絆されそうになる程の熱っぽさでした。2017/10/04
Ryuya Matsumoto
7
日本のIWC脱退のニュースから興味を持って。小松さんはこの現状をどう受けとめているのだろう。2018/12/29
nob
4
IWC日本代表団のタフネゴシエーターとして諸外国から畏敬された男の捕鯨交渉回顧録。捕鯨への姿勢については賛否あるが、国際交渉の場で尊敬されるのはこういう人なのだろう。政治的圧力に屈せず、主張に筋を通し、信念に従って譲れないところは決して妥協しない。こういう姿勢の持ち主に対しては、たとえその主張の内容自体には反対の人でも、敬意を払って接するはずだ。ただ、怒って灰皿を叩き割ったり暴言を吐いたりの過激さや、日本人にはきちんとした道徳教育(論語や教育勅語)が必要と主張するあたりには首を傾げてしまう。 2019/03/09
snakedoctorK
1
捕鯨再開へむけてすごい期待して読み進めていったのだが、非小松体制ではのぞむべくもないね 正しい外交交渉の出来る貴重な日本人だったのに その方を前線から外すとはね2010/06/30
ひろつそ
1
捕鯨問題だけではなく、日本の外交力の貧弱さの根本原因、問題点を見せ付けられた。面倒くさいから途中で投げ出すだとか、関心ないから最初から無視だとか、でかい声で感情論叫んだもん勝ち、ではすまない結果的に巻き添え食らって全ての人々がダメージを受ける恐ろしさが内包されてゐる。きちんと知って考えて意見を云ふことが何より大事なのだらう。2010/04/18
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