内容説明
スコットランド啓蒙思想の代表的哲学者ヒューム生誕300年。大思想家の根幹に迫る!ヒュームが生きたイギリスの18世紀という時代との格闘のなかで、ヒュームの社会科学は展開された。本書では、ヒューム研究の第一人者である【著】者が、国内外の最新の文献を渉猟し、社会科学の定礎者としてのヒュームの思想形成を精緻に描き出す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぽん教授(非実在系)
6
ヒュームの社会科学的思考という大テーマのもとで、正義論、労働観、スミスとの比較、当時のスコットランドの状況、ステュアート説との比較、ヒューム=貨幣数量説論者との評価への厳密な吟味、ヒュームの思う共和主義と自由主義といった小テーマが配置されている。最終章は丸山などの戦後市民派を素材にその上の河合栄次郎世代との比較を通じたヒュームなどの西洋社会思想史学史であり、日本思想史との接合部分となっている。どれも知りたいと思っていたことだが大変濃密な文章であるため消化しきれていない。再読対象である。2021/02/11
ステビア
2
濃厚。特に最後の市民社会論。2013/10/30
kazutox
1
ヒュームの入門書を読みたかったのですが、中公新書にも岩波新書にもないので、いきなり専門書を読むことに。内容は難解ではないのですが、人名と文献の数に圧倒されました。ヒュームの先人、同時代人、現代の研究者……著者はこれ全部読んだのかよ、と思うとめまいがします。私はとても学者にはなれそうにありません。2022/12/18