内容説明
良寛を評して「最も日本人らしい日本人」という言葉があるが、良寛ほど多くの日本人を魅了してきた人物はいない。詩歌と書に優れ、暮らしぶりは清貧そのもの。子どもたちと手まりに興じ、平凡な日常を送る村人たちとも無心につきあいながら、なお孤高の精神世界に遊ぶことができたこの禅僧は、何を思い、何を望んで一生を過ごしたのか。乞食と漂泊に培われた人間性からほとばしり出た言葉は、欲にまみれた現代に猛省をうながす。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
黒頭巾ちゃん
18
ボロ1枚で托鉢生活を送った禅僧の言葉集。基本は「清貧」。「念じていれば、知らぬ間に縁が熟し実現する」「古くなった規則を守り待つことでよい結果になるか」などが響きました。拘りから脱却し自然と孤独に生きていくそんな姿を垣間見れました。2016/05/31
M
7
自身の境遇故の、世俗の悲しみを知り尽くした枯淡の境地で、世俗から逃げずに、そこにいる人々に寄り添うことが禅に本る生き方と信じ、その現実の実践にこそ真理があると考えたのだろう。僧侶とは良寛の時代においても、既に民衆から忌避されることもあったが、無心に風流に生き抜いた稀有な人で、発せられる言葉の数々は並大抵ではない重みが肌で伝わってくる。真理は言葉だけには宿らないとわかっていながらも、世界を歌とことばで埋め尽くし、発せられる意識の前に自分のやるべき事を自省しつくし、自然と一体化する様は禅の境地といえるだろう。2020/01/11
舟江
6
良寛本3冊目。良寛は、晩年歌の中で「この世は、夢の世界である」と詠っている。さすが禅宗の坊さんである。しかし、この世が、夢の世界であるなら、せめてもう少し良い夢を見させて欲しい。hahaha・・・。2016/10/24
mintia
4
少し難しかった。少ししか理解できなかったので、また日を改めて読みたいと思う。2016/09/26
japan
0
☆2022/09/30