内容説明
国際非政府組織(INGO)の先駆的存在であり、国際連盟脱退後、日本唯一の国際窓口であった太平洋問題調査会の活動を通して、戦間期の日本外交を解明する。
感想・レビュー
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BLACK無糖好き
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太平洋問題調査会:1925年発足、アジア・太平洋地域における様々な問題について科学的、客観的研究を行い、研究成果を持ち寄り、国際比較研究や討議を通じて問題の本質や解決策を模索する国際非政府組織。本書はこの団体の活動を研究し纏めたもの。◆当初は中立的かつ客観的立場を確保し、会員夫々の自由な発言を可能にするよう配慮されたが、徐々に政治的な要素が強まり、満州事変以降は各国が国家の代弁者として会議に参加するという色合いが濃くなる。やはり非政府組織の限界が見えるが、それでも新渡戸稲造の存在感はキラリと光った。2017/07/30