内容説明
人類学、比較文明論の専門である【著】者が、二十代の頃のフィールドワークを題材に「人間と植物が共生していくための新たな文明の尺度」を、本書を通して提起している。人間と樹木(植物)の関係を、現代的な視点から捉えなおし、いま私たちの間に芽生えつつある「エコ」や「スロー」という言葉で表現されている新たな意識とはどのようなものなのか、どこへ向かっているのかを明らかにしていく。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おさむ
37
「教授」坂本龍一さんがイチオシしていた本。樹、森、自然、地球、そして宇宙と広がっていく世界と人間がいかにつながり、共生しているか。古来の神話や東西の宗教、民俗学などの知見をうまくちりばめてます。一歩間違えると、アブナイスピリチュアル本なんですが、ぎりぎりで止まっているのが見事。2016/09/27
ありんこ
3
地球温暖化や、自然災害の多さにこれから先、異常気象で地球はどうなってしまうのかな、人間は生きていけるのかなと毎日心配している中、この本を読むと、もう少し大きな時間軸で地球をそして人間をみることができるような気がします。染色、アロマテラピー、コスメティックなど、自然とともに生きてきた人間の知恵や技術はずっと大切にしたいですね。2014/05/01
井上岳一
1
再読。この本は読むたびに発見があるが、竹村真一の詐欺師ぶりもよくわかる。年齢を経るほどに、彼の詩的なふりをした扇動的な言葉使いは受け付けられなくなる。2013/06/26
おひさ
0
人間社会にデジタルが普及して、とんでもない量の情報を扱うようになってから、効率や生産性、合理的かなどのモノサシだけで全てを測ろうとし始めた。その究極が、経済優先主義だと思う。経済という大枠の中では、必ずしも生命が優先的に扱われるわけではなく、単なる一つの部分と見なされるように思う。これは、人間が自分で自分の首を絞めている他ならない。ざっくりはしているが、昔の日本人や植物や森と暮らしている人々の世界観が多数紹介されていて、読んでいて想像力が広がるのが心地よかった。自分の木を探すことを始めようと思います。2018/07/10