ちくま新書<br> ものづくりの反撃

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ちくま新書
ものづくりの反撃

  • ISBN:9784480068743

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内容説明

空前の円高、「世界の工場」中国の台頭、エレクトロニクス系産業の競争力低下──。30年ものあいだ、過酷なグローバル競争下にあった日本のものづくり。しかし、逆風のなかで必死にもがき、たゆまぬ鍛練の結果、いま、現場は圧倒的な強さを獲得した。「インダストリー4.0」「IoT」「AI」に代表されるドイツ型ものづくり論を批判的に検証し、さらなる拡大が予想される日本の製造業の潜在力を徹底的に考える。現場で思考を重ねてきた経済学者が、日本経済の夜明けを大いに語りあう。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

メタボン

26
☆☆☆ 中国や東南アジアの人件費高騰により、日本の製造業の価格競争力が逆キャッチアップしてきた。いよいよ日本のものづくりの真価が発揮される時が来た。2016/04/18

ジュリアンヌ

8
21世紀前半の産業経済では、レボリューションとエボリューションが同居し、製品・工程のモジュラー化と複雑化が併存し、グローバル資本主義とローカル現場主義が混在し、企業が、資本指向と現場指向の二つの顔を持ち、「良い本社」や「良い現場」が大企業にも中小企業にも見出され、本社と現場の相互信頼がそのカギを握ることになる。かわいそうな中小企業はいるが、中小企業はかわいそうでない。明るい現場とは見通しも風通しも良い現場。良い現場とは良い設計の良い流れが存在する場所であり、能力構築が続く場所。2017/01/30

薦渕雅春

5
製造業でなくても参考になる著作。かわいそうな中小企業はたしかに存在するけれど中小企業がかわいそうであるという事実はない、弱い中小企業と強い中小企業がある、と。大企業も同じで、同じ産業のなかにさえ強い大企業と弱い大企業がある。中小企業にも会社ごとに個別にそれぞれのストーリーがあって、「中小企業」という会社は存在しない。中小企業という言葉は、単に大きさ、サイズを表しているだけであって、企業の質を表しているわけではない。経営の基本は顧客の継続的獲得であり、別の言葉でいえば『顧客から選ばれ続けること』である。2016/07/20

yyrn

2
従来、日本は貿易立国であるという認識があった。その後、そうではなくて日本がGDP世界2位まで進んだのは結局1億人を超える旺盛な消費人口を抱えていたからで貿易依存率は先進国ではアメリカについで低い(韓国81%、独国70%、中国40%、日本33%、米国23%)。だから米国のように製造業ではなくて金融やサービス業、ITの振興に力を入れるべきだという話が大手を振るったが、この本では、やっぱり付加価値を生み出す製造業がグローバル社会においては大切なのだと説く。 2016/05/24

kazzz

2
「ものづくり」分野の重鎮3人による共著。●日本の現場は頑張ってる。やっかいなのは、中国、ASEANの生産工場というより、その頑張りの意味を理解せず、変化の本質を見極められない「本社部門」なのかもしれない。●IoT、インダストリー4.0、またぞろ騒がしいことになっているが、その本質を見極め対応することが必要。出自、背景含めた解説が興味深く、深く納得。●レボリューションとエボリューションの折り合い、バランス感覚が大事。●元気のいい現場のキーワード「見通し」「風通し」「見える化」。2016/05/17

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