- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
デフレ脱却のための異次元緩和やマイナス金利導入など、日銀の動向に注目が集まっている。そこで2009年の旧版にこの間の情報を加筆。日銀誕生から最新の政策まで丁寧に解説!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あすなろ
73
歴代日銀総裁の中で一番職員に尊敬されているのは、第2次オイルショック後就任した前川春雄だという。彼は、日銀の存在姿勢を福沢諭吉の言葉より独雁と称した。独雁とは、周りの雁が餌を啄んでいても必ず一羽は首を上げて周囲を見渡していることをいい、毅然たる日銀の姿勢を示したそうである。では、現代の日銀はどうか?という本である。個人的には、潜り込んだ経済学部の金融論やら財政学講義を思い出した。コール市場や公定歩合と日銀の絡みが分からぬ方がさらっと平易に言葉の整理をするには良いとは思う本。僕もそうした本となった。2017/07/31
コチ吉
10
多数ある池上彰の著作を読むのは初めて。連日テレビで解説番組に出演しているので、広く(浅い?)分かりやすい内容なのだろうと思っていたが、その通りであった。もちろん知らなかった事柄も多い。よくある「これは実は誰も言わないことだが」というような、いわゆるトンデモ本とは対極にあるお行儀の良い解説本だ。でも、例えば国債を日銀が買い漁ることで事実上国の借金が有名無実化するということを言う人がいるが、池上さんはどう考えますか?2023/01/18
肉尊
10
改訂版と聞いて購入した一冊。量的緩和政策を貯水タンクの水圧で例えたところは流石でした。肝心のマイナス金利については概要の説明はちょろっとあったものの、もう少しインパクトのある説明が欲しかった気がします。国債を101万円で買って100万円返しているような倒産覚悟の日銀の今後が思いやられますね。カンフル剤の副作用が日本の金融政策に暗雲をもたらしている気がします。2017/08/07
dou
8
毎年34兆円発行されてる国債を、毎年80兆円買う日銀。異例の時代だからこそ、気になって読んでみた。中でも、日銀による金利操作の変化が面白い。1994年から、日銀が金融機関に対して、公定歩合を上げ下げして金利を操作していた時代は終わり、金利を市場原理に任せることになった。だから現在では、国債の売りオペ買いオペによって金利を操作しているのだそう。分かりやすく、良い本。2019/09/02
森田裕之
8
自分にとって新聞やニュースを見ていて分かりにくいものの一つが金融政策だったので読んだが、いつもながらの池上さんらしい分かりやすい解説だった。金融とは何かに始まり、紙幣の発行の仕組み、日銀の成り立ちと今までの歩み、そして金融グローバル化時代における日銀の役割といったことがバランス良く解説され、またそれだけでなくアメリカの中央銀行であるFRBの成り立ちと仕組みについても言及されている点が良かった。これから新聞やニュースを見て疑問を持った時に本書に立ち戻って理解を深めたいと思う。2017/06/11