内容説明
第一次世界大戦とは日本にとって何であったのか。第二次大戦にも影響を及ぼした第一次世界大戦への参戦の意味を、外交と軍事作戦との連係に焦点をあて、膨大な史料を基に探る、初めての研究書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
水橋哩
5
良書です。 高校の日本史では、第一次世界大戦で帝国海軍がインド洋や地中海において大活躍したことなぞ教えてくれませんでしたし、南洋の委任統治領を獲得した経緯やその影響についても何ら知識を得られませんでした。 まさに目から鱗が落ちる思いです。 軍事からの視点を歴史教育の中に盛り込むことは、当時の情勢や人々の判断を考える上で、非常に有益であり、必須であると痛感させられました。2014/07/03
くわたろ
4
教科書的には、日本が日英同盟を口実に参戦、の一行で済まされるあたりだけれど、日本の陸海軍は必ずしも積極的ではなかったし、参戦規模も揺れ動いた。さらに4年以上続いた第一次大戦では同盟側(ドイツ側)に戦局が大きく傾いたときもあって(緒戦やロシア革命の時期)、連合国の日本に対する期待・疑念も様々あった。そういう経緯を通して読める好著。もとは論文なので脚注、参考文献も充実。 ところで、日本があまり血を流さなかったという批判が、終戦後に連合国からはあったという。これなど、湾岸戦争後の対日批判を連想してしまった。2008/10/21
めっかち
3
第一次世界大戦にかんする優れた研究書。論文集なので、決して読みやすくはないが、良書。2022/10/17