創元推理文庫<br> 海岸の女たち

個数:1
紙書籍版価格
¥1,518
  • 電子書籍
  • Reader

創元推理文庫
海岸の女たち

  • ISBN:9784488241049

ファイル: /

内容説明

「あなた、父親になるのよ――」それを伝えるために、舞台美術家のわたしは、単身ニューヨークからパリへ飛んだ。取材に行ったフリージャーナリストの夫の最後の電話から十日以上が過ぎていた。その間、夫から届いた封筒には、“あとひとつだけやることがあるんだ”という手紙と、謎めいた写真を保存した一枚のディスクが入っていた。夫の行方を追ううちに、それまで普通の舞台関係者だったわたしは、ヨーロッパに広がる底知れぬ闇と対峙することになる――。世界十六ヵ国で翻訳された、北欧ミステリの新女王の、息をもつかせぬデビュー作!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

のぶ

72
スウェーデン産のミステリーだが、舞台がフランスからスペインにわたって展開するので、従来の北欧物とは毛色の変わった作品だった。物語のほぼ全体をアメリカのジャーナリスト、パトリックの行方不明事件が基になって進行する。妻、アリーは夫の行方を探すためにパリに飛ぶ。この話、パトリックの失踪が、何かの事件に絡んでいるだろうと予測がつくので、ストーリーの先が読みやすい。そしてある事件を追っていたらしいという事実が明らかになる。事件は陰惨だが、いつも読む北欧物と比べ雰囲気が明るく、面白く読む事ができた。2017/07/12

星落秋風五丈原

44
テレーセの話を出したからにはどこかでこの二つは繋がるのだろうと思いながら読んでいく。わかってみれば答えは最初から読者に提示されていたのだが、ある情報を敢えて著者が出さなかったために、なかなか見つからない。アリーナはお腹は目立たないが妊婦である。普通なら誰か信頼できる男性主人公を一人立てるのが理想的だが、外国語があまり得意ではないにも関わらず、彼女は一人で動く。彼を思う愛情の強さ故だと好意的に解釈するが、一方で子供の事をもっと考えればいいとも思う。特にラスト近くで起こってしまうある出来事の後では特に。2022/12/11

わたなべよしお

23
 まあまあかな。読者を引っ張っていくストーリーテリングをみると、なかなかの実力者だなという感じはするし、社会性もある。ただ、主人公はともかくその他の登場人物の造形がイマイチだし、全体的にウェットなのが気になる。あれほどの問題もテーマとするなら、やはりドライじゃないと。2017/08/21

グラコロ

14
妻は強し! 失踪したジャーナリストの夫を探し求めてニューヨークからパリ、リスボン、そして地の果てジブラルタルへ。死人が出ても何のその。最後の決着のつけ方が潔いから、簡単すぎるくらい謎に迫るのには目をつぶろう。きっと母親勝りのタフな子供が生まれてくるんだろうな。2017/09/24

will

13
スウェーデンの作家、北欧ミステリーといことで楽しみに読んだ。何が出てくるか分からないのが魅力だ。やはりまた面白い作家に出会った。エログロ酷くは無くて良いのだが、どんよりとした暗さが残るストーリだった。結末がどうということではなくテーマしかり、作品全体の読後感が重い。そこが魅力だと思う。取材中に行方不明の夫パトリックを探しにヨーロッパへ出向く妻アリー。何を見つけたのか?アリーと一緒に謎探しが始まる。この導入部がミステリー好きにはたまらないのだ。アリーにはアンジェリーナ・ジョリーかゼタ=ジョーンズ? 古いか?2018/06/24

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/11621050
  • ご注意事項