内容説明
色川武大が自らに棲む「阿佐田哲也」に迫る。
「奴とは、ばくち打ちであり、ばくち打ちの奥に至らんと五十年もすごしてきたような、顔をしている人物である」--。色川武大は[阿佐田哲也]を、冒頭でこう評している。
阿佐田哲也なるばくち打ちは『麻雀放浪記』を書き、麻雀新撰組などを結成して世間を煙に巻いた。色川武大名義では『離婚』で直木賞を受賞した作家が、虚にして実、実にして虚の[阿佐田哲也]の素顔に迫った異色作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みのくま
6
本作も読むと、色川武大が生み出した小説のキャラクターである阿佐田哲也は「虚にして実、実にして虚」そのものなんだなという事がわかる。そして同時に麻雀などの賭け事の世界もまた「虚にして実」なのだ。特に興味深かった事は、勝負事と八百長の関係である。現代はスポーツを筆頭に競技は公平性が非常に重要なポイントになっており、八百長は決して許されていない。勿論、本作でも八百長は許されないが、かなり現代の倫理観とは異なっている様に感じる。むしろ八百長込みで競技が成立しており、観衆もそれを承知しているというプロレスに見える。2025/01/24
韻踏み茶碗
1
何が虚で何が実なのか、ぜひ読んでみてください。2023/02/23
kj.star
1
私にとって色川武大氏(または阿佐田哲也氏)は、死後数十年経っているのに拘わらず、まったくもって興味のあせない人物である。 昭和期の作品が、今の時代でもフューチャーされて出版されるということが、本当にうれしい限りである。2018/10/29
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