内容説明
いつか必ず死にゆく人間の儚さと確かさを描く小説集。祖母が遺した宝石を身に着けると、孫娘は、祖母の過去の体験を夢に見る――「宝石」。資源が枯渇して紙の本がなくなった未来とは?――「燃える本の話」。原子力の歴史と、ひとりの女性の個人史が交わる「日出ずる」。時空を越えて娘の体験と母の記憶が重なりあう「シー」。類まれな想像力と遙かな時間軸で描かれる全4編。
目次
SUNRISE 日出ずる
宝石
シー
燃える本の話
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちょき
41
メインコンテンツは中編の「宝石」。宝石に篭った祖母の記憶。死なない男。凄い作品書くなと思ってwikipedia引いて見たら漫画家、作家、エスペランティスト。とある。父はシャーロキアン、医師、作家だそうで率直に言うとなんだかわからんがやはり凄い。他短編3つ。「燃える本の話」では村上春樹氏のノルウェーの森が焼かれてしまうがアンチなのだろうかファンなのだろうか(笑)2017/05/05
八百
24
目に見えないものを紙の上に書き留めたい…表現者としてのそのスピリットにはエールを送りたいところだがいかんせんスキルがまだ発展途上であって例えれば好きなアイドルの雑誌の切り抜きを集めカードケースに入れた下敷きに満足しているひと昔前の少女のイメージだろうか。追い求める光の正体は書き手読み手ともにわかっていないものなのだからいたずらに神秘性を持たせるとそこに生じるのは混乱でしかない。それこそ多方面に光る感性を持ったクリエイターさんなのだから一度そこから離れてみてはとどうかと思う、偉そうでスマヌ2018/04/12
信兵衛
22
僅か 120頁余りという薄い一冊の中に4篇を収録。 それでも中々にインパクトのある一冊でした。2017/04/25
shoko
20
彼女の作品は原子力問題や戦争などに関する強烈なメッセージをとても詩的に伝えるものが多いのですね。まだ二作目だけれど、同世代なのにこんなに強く問題意識をもってそれを表現していることにただただ尊敬。難しい表現はないのに時間の動きがわかりにくく難解になるところもあるけれど、ストレートに描かれるよりもなんだか心の奥底に響いてくるのです。2017/12/25
ちょこ
8
原子と、未来に起こりそうなこと、男女についてが書かれていた。2017/05/12