内容説明
今なお読まれ続ける、太宰治の代表作「人間失格」。破滅的な人間を描きながらも読者を魅了してやまない本作から、子供でも読みやすい幼少期時代の場面を抄録。さらに、友情の美しさを描いた代表作「走れメロス」ほか、短編の名手であった太宰治の魅力が存分に味わえる作品を多数収録。東京大学文芸サークルの現役学生による解説つきで、読書感想文もバッチリ!表題二作以外には、「猿ヶ島」「富嶽百景」「葉桜と魔笛」「畜犬談」「十二月八日」「雪の夜の話」「眉山」を収録。【小学校 上級から】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Aaa
4
9種類もの太宰治さんの幅広い世界観が味わえる。文章中、注釈が書かれてあるので、容易に文章が理解できる。それぞれの短編の主人公は、人間、動物と様々で、多くの観点から読み取ることのできる本である。特に人間に関係したり、人間と比較している作品が多くある。 個人的に、『走れメロス』が最も印象的で、メロス(話の主人公)とセリヌンティウス(メロスの友人)との深い友情だけではなく、人間の心の弱さが描かれていることが心に残っている。2020/06/20
ハリネズミ王子
0
太宰の作品のうち、全部で9つが入っている。 個人的には、走れメロス、葉桜と魔笛、眉山が秀逸に思えた。 太宰の人間描写は、そこまで好みではないが、ストーリーとしては、情緒があると感じる。 太宰ゆえの世界観、太宰ワールドとでもいおう。 見方次第だが、偏りがなく、守備範囲の広い作家であることは、間違いないだろう。 殆どの日本人が、国語の教科書で知った太宰治を、ここへきてもう少し踏み込んで読んではみませんか。 言葉の注釈もついており、幅広い年齢層にとって読みやすい本だ。2019/03/16