内容説明
うんこを漏らして惨めな思いをするのは僕一人で十分だ! 起業を目指してアメリカ留学中、道端でお腹ピーピー大惨事を引き起こした若者が思い立ったのは、排泄時間を超音波で推定する画期的な機器の開発。ネットを駆使した仲間探し、身体を張った実験、危機一髪の資金調達……。笑いと涙と驚きに満ちた、開発ドキュメント。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
93
うんこ「10分後に出ます」世界の悩みを解決する画期的デバイス・DFreeの開発のきっかけは、著者が30歳前に留学先のアメリカ・バークレーでうんこを外で漏らすという衝撃的な体験であった。全くの門外漢であった分野にスタートアップ企業として、仲間を巻き込み、専門家に頼み込み、試作品を作り上げ、クラウドファウンディングで資金調達する過程がすごい。実証実験で介護の世界で評価され、ついに2022年介護保険の適応になった。本書は2016年発行。https://dfree.biz/homecare/product/2022/10/30
がらくたどん
66
ご感想に惹かれて。今年4月に「特定福祉用具」に認定され介護保険適用で利用可能となった排泄予知デバイス。老母は便意・尿意は明確だが特に朝の1回目は下半身が痺れて動かないためトイレまでは車椅子移動なので時間がかかる。近い将来のお助け道具として何年か前から情報としては聞いており注目していたのだが、どんな方が開発されたのかは知らなかった。中西氏は工学分野外の方だがご自分の粗相体験から開発を決意され、多くの専門分野で働く友人・知人の力を借りて形にされたそうだ。自身の武勇伝感が驚くほど薄い中、製品への愛だけが伝わる。2022/10/10
こみっくま
51
排泄介助は介護現場で最も大変な事の一つだそうだ。小さな超音波機器を身体に装着する事で膀胱や直腸の状態を把握出来、あとどれくらいで排泄できると判ればこれ程画期的な事はない。排泄予知デバイス・DFreeを開発するきっかけが著者・中西さんご自身のお漏らしの失敗から。これはもうDFreeを開発するべくして起こった惨事なのかもと最後には思わされた(笑)開発は困難を極め、まだ排尿のみで途上にあるDFreeだがクラウドファンディング始め様々な所から注目されている。この本をお薦めした朝井リョウ氏も心待ちにしていると思う。2018/11/04
booklight
43
【読友本】起業のお話。LAの街中でうんこを漏らしてしまって、排泄予知デバイスを思いつく。そこから一気に企業へと進む。もともと起業をしようとシリコンバレーにいっていたこともあるからか、必要な人を集めるのは全部知り合い。幼馴染、FB、パーティーとあらゆる伝手で探して、試作品を作り、資金を集めようとする。本人は技術があるわけでなく、資金があるわけでもないが、人と資金を集めていく。なるほどこれが社長か、と思うし、途中トップエンジニアが「俺にはできないからついていこうと思った」というのが印象的。人には役割がある。2022/11/19
oldman獺祭魚翁
42
図書館本 著者は自身の経験から排泄を予知するDfreeというウェアラブル端末を思い付き、実際に作るため人脈を使い人材を集め資金を調達していく。本書はベンチャー企業をいかにして起こし、それを軌道に乗せていったかが書かれている。著者はバリバリの文系ゆえ思い付いたとしても実際の機械作ることは出来ない。それを人を頼り、当にわらしべ長者の様にアイデアを実現していく。機械の仕組みや構造などは一切解らないが、これから起業を目指す若い人達には参考になるかもしれない内容だ。尚Dfree自体はまもなく世に出るらしい。2017/02/18