ハヤカワ文庫SF<br> ヒトラーの描いた薔薇

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ハヤカワ文庫SF
ヒトラーの描いた薔薇

  • ISBN:9784150121228

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内容説明

地獄の扉が開き、希代の犯罪者たちが逃亡した時、ヒトラーは……表題作ほか、SF界のレジェンドによる本邦初訳を含む、全13篇を収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

sin

90
エリスンは怒っている!その尖んがった角を押し付けてこれでどうだと読む者に、社会に、神にすら挑戦状を叩きつけて来る!その怒りがあるから今になっても、当時の作品でさえも色褪せて見えないのだろうか?そしてカッコイイ!例えばタイトルに謳われたヒトラーは物語を体現するわけではなくただ地獄の壁にフレスコ画法で薔薇を描き続けている…その最後に神々がそれを目にしてミケランジェロに伝えようと思い至る…それだけの役割!その思わせぶりでクールな作風に堪らなくしびれる。2017/04/29

ペグ

81
都会の煉瓦造りのビルの足元にうずくまるホームレスの老女。その上には千切れかかったポスターが風にはためく。遠くで犬の遠吠え。空に浮かぶのは一つ目の神(わたしはルドンの目をイメージして)。血を流す鳥。どの作品もエリスンの圧倒的にスケールの大きな想像力と筆力で一気読みの短編集でした。訳も素晴らしいです。2018/03/02

Shintaro

81
アメリカSF界の鬼才だそうだが、恥ずかしながらハーラン・エリスン初読み。13編の短編集だが、受賞作品もあり、お得感もある。長編は絵の具を混ぜ合わせているうちに灰色に近くなるようだが、短編は作家の原色に近い色が表れると感じる。ヴォネガットだったらどんでん返し、P.K.ディックだったらディストピア。ハーラン・エリスンだったら天国と地獄の反転といったところだろうか。日本だったら平井和正あたりが影響を受けていそうな作風である。「ヴァージル・オッダムとともに東極に立つ」「解消日」「バシリスク」あたりが気に入った。2017/09/03

Panzer Leader

67
初読みのハーラン・エリソン。SFというよりはこの世の中に存在するもの(社会体制・機械化・差別・神)に対する怒りを発散しているような印象。”華麗なるSF界のレジェンド”との事であるようだが、自分の好みには合わなかった。2021/02/11

ゆかーん

67
バラエティに富んだ内容でした。一番楽しく読めたのは『ロボット外科医』。治療や手術が人間の手から離れ、全てオートメーション化される未来の話。患者が医師に求めるものは何であるかを問いかけると同時に、ロボットとの共存社会のあり方を説いた話です。SF要素満載でした!他の話は宗教や神の選択など、取っ掛かりにくい内容が続きました。理不尽で不条理な世界が存分に描かれていて、ハーラン氏が世の中の差別や死に対して、怒りを感じていることが理解できました。ジャンルを問わない多彩な作品が内容に、ついていくだけて精一杯でした…。2017/10/29

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